◆JERAセ・リーグ 中日2―0ヤクルト(14日・バンテリンドーム)
衰え知らずのベテランが、またもや快挙を成し遂げた。中日・涌井が、6回を98球、4安打無失点。
井上監督は「ピンチでも動じない。いいところ」と評価するポーカーフェースも投球術のひとつ。前回登板となった6日のDeNA戦(バンテリンD)では死球から、失点を喫した。この日も、6回先頭の北村拓に死球を与えピンチを迎えたが、捕手・宇佐見の強肩で三振併殺で切り抜けた。表情を変えることなく、変化球をゾーンに投げ込み、「要所でいいところにいった」と冷静さを失わなかった。
それでも、先制三塁打を放った上林と一緒に上がったお立ち台では、「昨日、上林がタコった(5打数無安打)ので、打ってくれると思ってた」と真顔でいじり、「(9回に三塁打を放った)ブライトは二塁を回った時に減速してたので、ランニングをやらせたい」と、スタンドの笑いを誘った。“トーク術”とマウンドでのギャップがファンの心をつかむ。
今季初登板となった4月29日の阪神戦(バンテリンD)では6回1失点で、史上4人目となる新人から21年連続勝利を達成した。
涌井(中)は中日で通算10勝目。西武85勝、ロッテ48勝、楽天21勝で4球団で10勝以上。4球団すべて通算10勝以上は別表の通り5人目。このうち、野村収はロッテで72年14勝、日本ハムで75年11勝、76年13勝、大洋で78年17勝、80年15勝、阪神で83年11勝し、唯一、4球団でシーズン2ケタ勝利している。