女優の杉咲花(27)が、映画「ミーツ・ザ・ワールド」(松居大悟監督、10月24日公開)で主演を務めることが15日、分かった。二次元オタクの主人公で新境地に挑む。

 第130回芥川賞受賞作「蛇にピアス」などで知られる作家・金原ひとみ氏が、22年に柴田錬三郎賞に輝いた同名小説が原作。新宿・歌舞伎町を舞台に、焼き肉の部位を擬人化した漫画「ミート・イズ・マイン」を愛する27歳の主人公が新たな世界と出会う姿を描く。

 杉咲は、自己肯定感が低い会社員・由嘉里役。漫画という二次元の世界観やキャラクターを愛する役柄を熱演している。脚本段階から携わった意欲作で「自分も誰かにとっての他者。そこに引かれた線のただただ寂しいとき、この映画を利用してほしいです」と願いを込める。

 劇中の由嘉里は、周囲のオタク仲間が結婚していく中、焦りを感じて参加した合コンで惨敗。道端で酔いつぶれていたところ美しいキャバ嬢・ライに助けられ、無縁だった歌舞伎町という未知の世界に導かれていく。杉咲は「孤独をむしゃむしゃかみ砕くふつつかな心意気が、疲れてしまった誰かの血肉になってくれたらと心を込めました。ご期待ください」と呼びかける。

 メガホンの松居監督とは、WOWOWの連続ドラマ「杉咲花の撮休」(23年)でもタッグを組んでいる。監督は「今回初めて、『生きること』についての映画に挑みたいと思いました。

作る中で唯一確かだったのは、誰かや何かを、推す、眩(まぶ)しさです。杉咲さんと長い時間をかけて魂を込めて、この作品に挑みました」と手応えを語った。

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