◆米大リーグ オリオールズ―ツインズ(15日、米メリーランド州ボルティモア=オリオールパーク)

 オリオールズ・菅野智之投手(35)が15日(日本時間16日)、本拠地・ツインズ戦に先発し、7回途中でメジャー自己最多となる103球を投げて6安打4失点、3奪三振1四球と粘ったが、援護に恵まれず0―4とリードを許して降板し、5勝目を逃した。

 初回の立ち上がりは、先頭のバクストンを初球のカットボールで一飛に打ち取ると、3者連続のフライアウト。

たった9球で3者凡退で抑えて順調に滑り出した。2回は先頭・リーの右中間への当たりを中堅手のムリンスがダイビングキャッチ。菅野はマウンドから帽子を取って手を挙げてたたえた。後続も打ち取って2イニング連続3者凡退で1人の走者も出さなかった。

 3回は先頭のルイスに二遊間を破る中前安打を浴びて初めて走者を背負った。すると1死一塁で9番打者のカージーに右翼へ先取点となる1号2ランを被弾。内角低めのスイーパーをすくい上げるようにはじき返されると、打球がぐんぐん伸びていった。さらに続くバクストンにも初球のやや高めに浮いたツーシームを捉えられて左中間へ10号ソロ。2球連続で本塁打を浴びて3点のリードを許す展開となった。

 4回は1死から守備で味方と接触して退いたコレアに代わって途中出場したブライドに右中間への二塁打を許した右腕。それでも後続を抑えて追加点は許さなかった。5回は先頭のクレメンスに四球を与えたが、二ゴロ、遊ゴロ併殺打で走者を進めず。

援護がなく0―3のまま迎えた6回はこの試合最速の93・4マイル(約150・3キロ)をマークするなどギアを上げて4イニングぶりの3者凡退で抑えた。

 6回を終えて93球だったが、前日14日(同15日)がダブルヘッダーで救援陣がフル回転したこともあってか7回も続投。1死を奪い、メジャーで初めて100球を超えるとカストロに左翼線への二塁打を許し、続くルイスに左前適時打を浴びて降板した。

 ツインズは10連勝中。一方でオリオールズは前日のダブルヘッダーに連敗して2連敗、今季ワースト借金11でこの日の試合を迎えた。菅野はオープン戦でツインズ戦は2戦2勝。前日から体調不良を訴えているバルデリ監督に替わり、試合前にメディア対応したツインズのティンガー・ベンチコーチは、「彼(菅野)に対しては、ただ尊敬しかない。彼の持ち球は本物で、それを、相互に活かす投球術がある。空振りが取れ、(バットに当たっても)緩い当たりが多い。フィールディングも良く、走者をうまくコントロールしながらゲームをつくることができる。結局のところ、彼は、勝ち方を知っている」と絶賛していた。

 前回登板の9日(同10日)、敵地・エンゼルス戦ではメジャー移籍後自己最長となる8回途中を投げて3安打1失点の好投を見せて4勝目をつかんだ。

チームの連敗を「5」で止めた快投に「チームがあまりよくない流れの中で、こういう仕事が出来たのは価値があると思う」とうなずいていた。ここまで9登板を終えて防御率は3・08となった。

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