女優の十朱幸代が16日、大阪市内で語りとピアノでつづる舞台「『燃えよ剣』~土方歳三に愛された女、お雪~」の大阪公演に向け、取材会を行った。

 2013年に初演され、21年まで7回にわたり上演されてきた本作。

十朱は「新選組そのものをドラマにするのではなく、そこで出会ったお雪という女とのいわばプライベートな部分のドラマだということで台本を読ませていただいて、これなら私もできるかなということで始めましたが、初演は手探りでした」と、振り返る。現在82歳。今回の公演で「燃えよ剣」については最後と位置づけており「やっぱり恋のお話なので、年齢的に違和感を見てくださる方に与えてもいけない。総仕上げのつもりでやらせていただきます」と意欲を語った。

 11年には両足首に腰の骨を移植する大手術も受けた。現在の体調について「激しいことはできませんけど、日常生活に関しては大丈夫。元々健康なんでしょうね。内臓的な問題もないです」と笑顔。一方で、かつて162センチあった身長が、最近の身体検査で151センチとなったことにショックを受けており「上のシャツが、やたら長く感じるんですよ。身長は低いし、顔も小さいし、後ろの人まで届くかなと心配しております」と、ちゃめっけも交えながら本音をこぼした。

 コロナ禍で舞台が無くなり、その後5年ほど表に出る仕事は何もしてこなかった十朱。「SNSで死んだんじゃないかとか、車いすに乗っているとか、友達から入ってきまして」と苦笑い。

そのまま芸能界をフェードアウトしようと考えた時期もあったそうだが「私よりさらに高齢の方でもバンバン働いているし、いろんな分野の方が活躍なさっていて、これじゃいけない。もう一度私ができることって、やっぱり舞台しかないなと思って。そうなると『燃えよ剣』よね」と、復活ののろしを上げた。女優は引退宣言をしないほうがいいとも語り「注目もなくなれば、そのまま自然に消えればいい。やりたいんだったらどんどんしゃしゃり出てやればいい」と奮起した。

 最後に「来ていただいたら絶対良かったと思っていただけると思っています」と自信たっぷりにPR。公演は7月20日に、大阪・森ノ宮ピロティホールで上演される。

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