◆バレーボール▽アジアチャンピオンズリーグ・準々決勝 アル・ラーヤン3-2サントリー(17日・島津アリーナ京都)

 準決勝2試合が行われ、日本代表の高橋藍(らん、23)が所属するサントリーは、アル・ラーヤン(カタール)に2―3で競り負け、3位決定戦に回った。天皇杯、SVリーグに続く3冠獲得はならず、決勝進出2チームに与えられる世界クラブ選手権(12月・開催地未定)切符も逃した。

大阪Bは、フーラード・シールジャーン・イラニアン(イラン)を3―1で破り、決勝進出を決めた。

 こみあげてくる悔しさとさみしさに、高橋藍は目を潤ませた。準決勝はフルセットの末、2―3で惜敗。「悔しさもあるし、ここまで多くの試合をやってきて、すごくこのチームが好きなので、このメンバーで戦う今シーズンが終わってしまう悲しさがある」。アジア王者への道が途切れ、視線を落とした。

 昨年12月の天皇杯を制し、SVリーグ初代王者にも輝き2冠を達成。勝負どころの強さを何度も見せてきた。この日も序盤からリードを許したが最終セット、藍のブロックで14―14と土壇場で同点に。その後も、必死に食らいついたが、力尽きた。「相手を意識しすぎて、自分たちのバレーボールを見失ってしまうシチュエーションが多かった」。藍はチーム2位の20得点と奮闘したが、経験の差を痛感する1敗だった。

 世界一を宣言し、今季からサントリーに加入。

シーズンを通して左足首に違和感を抱えながらも戦ってきた。それだけに是が非でも今大会2位以内に入り、世界クラブ選手権切符を得たかった。「日本のリーグをトップにしていく中で、ここで強さを証明していくのは非常に重要だった」。圧倒的な力でアジアを勝ち抜き、世界へ挑む青写真がかなわず、涙がこぼれた。

 3位決定戦が終わると今後は代表活動が始まり、6月にはネーションズリーグ(NL)が控える。日の丸を背負い、世界と対峙(たいじ)する舞台だ。「この負けを次につなげたい」。会見の終わり、藍は少し笑みを取り戻すと、視線を上げた。(瀬川 楓花)

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