◆ラグビー◇リーグワン プレーオフ準々決勝 神戸35-20静岡BR(17日・花園)

 静岡ブルーレヴズは、初めて臨んだプレーオフ(PO)準々決勝で神戸に20―35で敗れた。10―24の後半11分にSH北村瞬太郎(23)がトライを奪い、同17分にはSOサム・グリーン(30)のPGで20―24と詰め寄ったが、その後に突き放された。

レギュラーシーズン(RS)で過去最高の4位と躍進した自信と、POでの悔しさを来季につなげる。

 日本一を目指したレヴズの戦いは、初戦で幕を閉じた。1トライで逆転できる20―24の後半33分、大外へのキックパスからトライを奪われ9点差。その後は2本のPGを決められ、メンバーは肩を落とした。押せ押せムードだった同27分、敵陣ゴール前でのラインアウト失敗が響いた。藤井雄一郎監督(55)は「大事なところでミスが出た。反則も多かった」と厳しい表情で話した。

 今季は神戸に2戦2勝。リーグ開幕戦で逆転勝ちすると、10日の最終節も29―23で競り勝った。だが意識していた「前半の入り」がうまくいかず、5分にPGで先制を許した。同9分にWTBヴァレンス・テファレ(24)のトライで逆転も、再び引っ繰り返された。

 南アフリカ代表で19、23年W杯2連覇メンバーのクワッガ・スミス主将(31)を後半から投入。

流れを変えて同11分に北村のトライで勢いづいたが、あと一歩及ばなかった。SHながらRSでリーグ2位の14トライを挙げた若き司令塔は「相手は気持ちが前面に出ていて、後手に回ってしまった。本当に悔しい」と唇をかんだ。

 躍進のシーズンだった。リーグワン創設後は3季連続で8位だったが、今季は強豪・埼玉を倒し、昨季王者のBL東京にも2連勝。4位で初めてPOに進んだ。前身のヤマハ発動機で15年の日本選手権優勝を経験しているフランカー大戸裕矢(35)は「当時と雰囲気が似ている。一体感がある」と話していたが、この日は「勝負どころでの強さが、まだ足りない」と悔しがった。

 初の大舞台で感じた緊張は、何物にも代え難い経験となった。「リーグNO1のSHになれるよう頑張る」と北村。スミス主将も「未来につながる」と前を向いた。目標の日本一へ、この日の思いを忘れずに進んでいく。

(里見 祐司)

  〇…この日は雨にもかかわらず7006人が来場。地元・関西の神戸ファンがやや多かったが、後半の追い上げ時には「ゴーゴーレヴズ!」の大きな声援が選手の背中を押した。藤井監督は「思っていた以上に応援に来てくれて、ホームのような雰囲気でやれました」と感謝していた。

 ヴァレンス・テファレ(前半9分にトライ)「いい経験ができた。来季に向けて頑張りたい」

 サム・グリーン(前半38分に決めたPGは)「7点差で折り返そうという選択。前半はリズムをつくれなかった」

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