フランスで開催中の第78回カンヌ国際映画祭で17日、最高賞である「パルム・ドール」を競うコンペティション部門に選出された唯一の日本映画「ルノワール」(早川千絵監督、6月20日公開)が公式上映された。

 レッドカーペットに登場したのは、早川監督をはじめ、主人公・フキを演じた鈴木唯、フキの両親役の石田ひかり、リリー・フランキーら。

赤色が映えるチュール&コットンのスカートを着こなした12歳の鈴木は、レッドカーペットを歩く直前、高揚感をおさえきれず飛び跳ねる、子供らしい一面も。

 その後、満面の笑顔で両手を振りながら歩き始めると、次々呼びかけるメディアの声に堂々と対応。声を掛けられる度に大きく手を上げて、ポーズを決めた。上映会場の入り口に続く階段を昇る際には、リリーにエスコートしてもらい、本編さながらの仲睦まじい様子も垣間見えた。

 公式上映後は、劇場を埋め尽くした観客たちから約6分間のスタンディングオベーションで賞賛を受けた。

 上映後に行われた日本メディア向けの囲み取材では、早川監督は「映画祭の1番大きいリュミエールで上映するのは初めてでしたが、場内の熱気が段違いで、胸が一杯になりました」と述べた。

 また、初めての国際映画祭への参加となる12歳の新鋭・鈴木は「私は、俳優を始めてたった2年でカンヌに行けてしまい、びっくりしています。自分が想像していた以上に、観客の皆さんがワァーと反応してくれたり、“ユイ”って声を掛けてくれたり、(今までに自分が)見たことがないぐらいの数の人に映画を観てもらえて、すごく嬉しかったです」と答え、「経験したことがないことばかりでびっくりしたけど、あ~めっちゃくちゃ嬉しいなぁって身体の底から感じました」とはにかんだ。

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