関東学生陸上競技連盟は18日、全日本大学駅伝(11月2日、名古屋市熱田神宮西門前~三重・伊勢市伊勢神宮内宮宇治橋前=8区間106・8キロ)の関東選考会(5月24日、神奈川・レモンガススタジアム平塚)に出場する20校と各校の登録選手13人を発表した。

 各校2選手ずつ4組の1万メートルのレースを行い、全8選手の合計タイムの上位7校が本戦出場権を獲得する。

2024年1月1日から今年5月17日まで1万メートル公認記録の8人合計タイムの上位20校が関東選考会に出場できる。申込み対象の選手8人と選考会登録選手13人は異なることが認められている。登録選手13人の中から、レース当日に8人が出走する。留学生は登録が2人以内、出場が1人以内。例年6月下旬に行われているが、今年は暑熱対策などのため、約1か月、早まった。

 昨年の本大会で初優勝した国学院大をはじめ、駒大、青学大、創価大、早大、城西大、立大、帝京大の上位8校はシード権を持つ。関東勢は計15校が参戦する。北海道1校、東北1校、北信越1校、東海2校、関西3校、中国四国1校、九州1校で計25校が出場。日本学連選抜(東海を除く全国7地区学連からの選抜)と東海学連選抜がオープン参加する。

 昨年の本大会で、9位の東京国際大、12位の中大、13位の東洋大など、今季の第102回箱根駅伝(来年1月2、3日)ではシード権(10位以内)を持つ強豪校が伊勢路行きの7枚の切符を争う。

 関東選考会の申し込み記録の1位は中大。今年1月の第101回箱根駅伝1区区間賞の吉居駿恭(4年)、同2区9位の溜池一太(4年)、同3区区間賞の本間颯(3年)と3人の1万メートル27分台ランナーを擁し、8人の平均は驚異の28分10秒26。

2位の日大(平均28分34秒95)に約24秒差もつけている。

 今年の箱根駅伝9位で継続中としては最長の20年連続でシード権を確保した東洋大は、申し込み記録は11番目。昨季の学生3大駅伝はすべて欠場したが、今季は新エースとして期待される松井海斗(2年)、箱根駅伝3区8位の迎暖人(2年)、同10区10位でアンカー勝負でシード権(10位以内)を死守した薄根大河(3年)、主力の緒方澪那斗(4年)、西村真周(4年)らが順当に登録メンバー入り。その一方で箱根駅伝4区3位の岸本遼太郎(4年)、同5区9位の宮崎優(2年)が外れた。

 昨年、全日本大学駅伝関東選考会ではトップ通過しながら箱根駅伝予選会ではまさかの敗退を喫した東海大は申し込み記録は9番目。ダブルエースの花岡寿哉(4年)、兵藤ジュダ(4年)を中心に戦う。昨年の箱根駅伝予選会でゴール直前に無念の途中棄権となったロホマン・シュモン(4年)も登録メンバー入りし、リベンジを期す。

 申し込み記録16番目の東農大はエースの前田和摩(3年)が登録メンバーに名を連ねた。前田は、昨年5月の日本選手権1万メートルで日本歴代5位(当時)、日本人学生歴代最高の27分21秒52をマークして3位と激走。その後、体調不良などで実戦から遠ざかっており、全日本大学駅伝関東選考会に出場すれば、約1年ぶりの復帰レースとなる。

 大学と大学院は別チーム扱いとなる箱根駅伝とは異なり、全日本大学駅伝は大学院生も同じチームとして出場が認められている。申し込み記録4番目の大東大では、昨年に東海大を卒業し、大東大大学院に進学した喜早駿介(大学院2年)が登録メンバー入りした。

 申し込み記録12番目の明大は上限より1人少ない12人の選手登録となった。

 今季、池谷(いけがや)寛之監督が就任した麗沢大が申し込み記録20番目。同21番目の筑波大は麗沢大と平均4・3秒で出場できない。今季、徳本一善監督が就任した芝浦工大は、この時期に練習を重ねることを優先し、選考会に申し込みをしなかった。

 昨年まで6月下旬に開催されていた選考会は高温多湿のタフなコンディションとなることが多く、これまで熱中症などのため途中棄権し、その時点で出場権を逃したチームも多かった。今年は約1か月、開催が早まったが、ひとりも失敗が許されない重圧がかかるレースとなることに変わりはない。第1組は午後6時、第2組は午後6時40分、第3組は午後7時20分、最終第4組は午後8時のスタート。速さより強さが求められる一戦は、今季の大学駅伝を占う注目のレースとなる。

 全日本大学駅伝関東選考会の出場校は申し込み記録順で以下の通り。かっこ内は1万メートル8人の平均タイム。万が一、悪天候や災害などの影響により、1組でもレースが成立しなかった場合は、選考レース不成立として申し込み記録上位7校が本戦の出場権を獲得する。

 <1>中大   (28分10秒26)

 <2>日大   (28分34秒95)

 <3>順大   (28分36秒98)

 <4>大東大  (28分43秒60)

 <5>山梨学院大(28分44秒60)

 <6>駿河台大 (28分49秒22)

 <7>中央学院大(28分49秒78)

 <8>神奈川大 (28分50秒68)

 <9>東海大  (28分53秒28)

<10>東京国際大(28分55秒54)

<11>東洋大  (28分58秒86)

<12>明大   (28分58秒91)

<13>専大   (28分59秒89)

<14>日体大  (29分0秒48)

<15>法大   (29分0秒78)

<16>東農大  (29分1秒31)

<17>日本薬科大(29分5秒71)

<18>拓大   (29分7秒10)

<19>国士舘大 (29分7秒80)

<20>麗沢大  (29分11秒93)

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