◆第20回ヴィクトリアマイル・G1(5月18日、東京競馬場・芝1600メートル、良)

 春のマイル女王決定戦に4歳以上の牝馬17頭(ミアネーロは出走取り消し)が出走し、1番人気のアスコリピチェーノ(4歳、美浦・黒岩陽一厩舎、父ダイワメジャー)が直線で外から豪快に伸びてゴール前の接戦を制し、23年阪神JF以来2度目のG1勝利(重賞は5勝目)を挙げた。クリストフ・ルメール騎手は17年アドマイヤリード、20年アーモンドアイ、21年グランアレグリアに続き、歴代単独最多となる4度目の勝利。

JRAの通年免許を取得した15年から11年連続のG1勝利とした。黒岩調教師はJRA通算200勝をG1の舞台で決めた。勝ちタイムは1分32秒1。

 同馬は昨年の桜花賞、NHKマイルCで、ともに2着。昨秋の豪州の高額賞金レースのゴールデンイーグルで12着に敗れ、4歳初戦となったサウジアラビアのG2・1351ターフスプリントで海外初勝利を挙げていた。昨年9月の京成杯オータムハンデ以来、3戦ぶりとなる国内のレースで結果を出した。

 2着は4番人気のクイーンズウォーク(川田将雅騎手)、3着は7番人気のシランケド(ミルコ・デムーロ騎手)だった。

 池添謙一騎手(アリスヴェリテ=5着)「この大外枠だったので、内から抵抗されるようだったら控えることも考えていましたが、他に行く馬が来なかったので、無理せず先行できました。あとはこの馬の長くいい脚を使える特長を生かそうと、直線はじわじわと追い出していって、しぶとく頑張っていましたが、最後の100メートルから、しんどくなってしまいました。見せ場は十分つくったし、この馬のスタイルでいい競馬ができました。よく頑張ったと思います」

 木幡初也騎手(シンリョクカ=6着)「いい競馬ができたんですけどね。切れる脚はないんですが、この馬の持ち味はじわじわとタフな脚を使ってくれるところなので、枠も良かったし雨が降って渋った馬場もこの馬には条件としては良く、一発はないかと思っていました。

最近はテンにずぶさを見せているので、今日は逃げるくらいのつもりで、意識的にテンから出していっていいところで流れに乗れました。最後は切れる脚を使う馬にやられてしまったけど、自分の競馬ができれば、まだまだチャンスはありそうですね。チークもいい方に出ていたと思います。次につながる競馬ができて、また楽しみです」

 田辺裕信騎手(アドマイヤマツリ=7着)「バッチリだと思ったんですけどね。トントン拍子にクラスを上がってきたので、G1でもまれた馬たちを相手にどれだけやれるか挑戦者の気持ちでした。展開的に理想的だったし、リズム良くポジションを取れた。これ以上ない展開だったと思ったけど、結果的に力の差がありました。これがいい経験になると思います」

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