◆大相撲▽夏場所8日目(18日、東京・両国国技館)
初の綱取りに挑む大関・大の里が、西前頭3枚目の平戸海を一方的に押し出して8連勝。勝ち越しを決め、単独首位に立った。
圧倒した。大の里は平戸海の突進を受け止め、突いて前に出ると2秒9で押し出した。「相手がしっかり見えていた。まだ明日があるんで続けたい」。2度目の優勝を果たした昨年秋場所以来となるストレートでの給金直し。伯桜鵬が敗れ、今場所初めて単独首位に立ったが、「まだ半分ある。目の前の一番に集中する」と浮かれなかった。
不調を指摘された稽古総見(2日)の翌日、休み返上で境川部屋へ約2時間かけて出稽古に出向いた。
横綱審議委員会の推薦内規は「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」。先場所を制し、連勝街道を走る大の里の評価が高まる一方だ。幕内後半戦の九重親方(元大関・千代大海)は「強い。止める力士がいるのか。誰が止めるのだろう」とうなり、八角理事長(元横綱・北勝海)は「馬力で当たっている。小細工が通じない」と言い切った。
貴乃花、宮城野親方(元横綱・白鵬)、師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)は前半戦勝ちっ放しからの優勝で最高位に昇進した。宮城野親方が「私はけがさえしなければ大丈夫という思いだった。一つ一つドラマがある。
◆大の里の昨年秋場所VTR 前回、ストレートで給金を直した昨年秋場所は関脇だった。12日目に若隆景に敗れるまで初日から11連勝。14日目に豊昇龍を押し出し2度目の優勝を決めた。初賜杯の同夏場所に続き、大いちょうの結えないちょんまげ頭だったことも話題になった。