【ドーハ(カタール)23日=宮下京香】女子シングルスに出場した平野美宇(木下グループ)が会場で取材に応じた。19日の2回戦でクロアチア選手に敗れた後は過呼吸に陥って倒れ、救急車に乗ったといい、3日間は来場せず、静養に努めていた。
昨夏のパリ五輪では女子団体で2大会連続の銀メダル獲得に貢献。念願の女子シングルスに出場し、8強入りした。その後は6度目となった世界選手権個人戦を「1つの区切り」と考えていたという。2回戦では自然と涙があふれた。「大人なのに、こんな年で試合中に泣いてしまって、申し訳ない気持ちもあったけど、自然に涙が出てきてしまった。自分の中で1つの区切りだと思っていたので、それを考えたら泣けてしまいました」と思い返した。
3歳で卓球を始め、22年がたった。「卓球をやっていたら勝たないととか、五輪とかがずっとあって。
周囲から試合後に「十分頑張ったから、やめてもいいよ」と声をかけられ、「気持ちが楽になった。これから考えようかなと思うんですけど、やるにしても自分を追い詰めずに絶対にこれをしなきゃとかじゃなくて自分の出来る範囲で」と見据えた。「これまでの卓球は幸せだった」と涙を流しながら、うなずいた。
今後の日本代表の合宿にはいったん参加せず、欧州での試合も一部キャンセルする意向だという。7月のアメリカスマッシュは代表に選ばれているため、参加する可能性もあるという。「今までは勝ちたいだけでスポーツは結果が全てだけど、倒れた時に倒れたら意味がないと思った。そういう気持ちを持って行きたい」と見据えた。