男子110メートル障害で藤田康希(浜松市立3年)が14秒55で初Vを飾った。予選を自己ベストの14秒54で1位通過し、決勝で唯一14秒台をマークした。
ハードルを始めて2年にも満たない藤田が県の頂点に立った。榛原中の同級生だった2位・本杉悠人(東海大静岡翔洋3年)に0秒50差をつけ「1年秋に走り幅跳びの練習の一環として始めたけど、今年3月から専門になりました」と明かした。
21年東京&24年パリ五輪代表で、障害を本職とする泉谷駿介(25)=住友電工=が走り幅跳びとの“二刀流”で記録を残していたため、父から「ハードルもやってみたら」と助言された。高1の11月に記録会へ出場し「技術が上達していくことが楽しかった」。幅跳びの記録が思うように伸びないところに、今春定年退職した杉井将彦前監督からけがのリスクも指摘され、ハードルに賭けた。
優勝はしたものの、反省も残った。予選で自己ベストの14秒54をマークしながら準決勝、決勝はタイムを落とした。両足がつりかけた影響もあったが「準決勝、決勝は勝とうとしすぎて自分の走りができなかった」と悔やんだ。障害を越える際にフォームを崩して失速する課題も出た。
中学時代の同級生・浜崎秀馬(京都・洛南3年)とは、7月の総体で対決しようと約束している。
〇…女子100メートル障害では、堀内が7種競技を戦いながら1年生女王に輝いた。混成の1種目を含め障害の予選、準決勝、決勝と1日で4レースに出場。混成の走り高跳びの合間に準決勝を走るなど大忙しだったが、決勝では自己記録を更新する14秒35をマーク。「東海に出られればいいなって思ったけど、欲が出てきて全国に行きたい」と笑った。昨年の全国出場ラインだった東海総体6位は14秒31だっただけに、十分狙える位置まで伸ばしてきた。
〇…女子走り幅跳びで初Vのうれしさより目標の6メートル台に届かなかったことが、杉本には悔しかった。「満足度はゼロです。きょうは優勝したことだけが良かった」。自己ベストの5メートル95に及ばない5メートル78に終わり「ファウルにビビって思うような跳躍ができなかった」と不満顔。