赤土の世界最高峰、全仏オープンは、最もタフな大会だと言われる。優勝には、テニスが持つすべての技術と、体力、精神力の心技体が必須となる。
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男子は、アルカラスとシナーを軸に優勝争いは進むだろう。そこに、全豪準優勝で世界ランキング3位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が、どのように絡むか。また4大大会最多24度の優勝を誇るノバク・ジョコビッチ(セルビア)は前哨戦のジュネーブ・オープンでツアー通算100勝こそ達成したが、初戦敗退が4大会もあるなど、力の衰えは顕著だ。一方、マドリード・オープンで優勝、過去全仏2度準優勝の同7位、カスパー・ルード(ノルウェー)の存在はおもしろい。
女子は不調のシフィオンテクの4連覇なるか。ベラルーシ出身の女王アリーナ・サバレンカも過去全仏での決勝進出がない。両者よりも、2023年全米優勝で、前哨戦2大会連続準優勝の同2位、コリ・ガウフ(米国)、イタリア国際で優勝した同4位のジャスミン・パオリーニ(イタリア)の初優勝なるかに注目が集まる。大坂なおみも、過去最も自信をつけての参戦だけに、決して侮れない。