◆プロボクシング▽IBF世界フェザー級(57・1キロ以下)タイトルマッチ12回戦 アンジェロ・レオ(判定2―0)亀田和毅(24日・インテックス大阪)
元世界2階級制覇王者でIBF世界フェザー級1位の亀田和毅(ともき、33)=TMK=が、同級王者のアンジェロ・レオ(31)=米国=に0―2の判定負けを喫し、日本人8人目となる3階級制覇を逃した。2児の父となって初めて迎えた世界戦での惜敗に、自信を深めた和毅は現役続行を示唆した。
和毅は静かにリングを降りた。父・史郎氏に支えられながら涙を流した。0―2の判定負けを喫し、19年7月のスーパーバンタム級暫定王座陥落以来、5年10か月ぶりの世界王者返り咲きはならず。「気持ちは12ラウンドやり切った。でも、負けは負け」と結果を受け止めた。勝てば長兄・興毅らに続く日本人8人目の世界3階級制覇だったが、「亀田家」の夢はかなわず。
冷静な入りがあだとなった。「フィジカル、パワーあるんかな」と様子を見たことで点数を落とした。セコンドの父から「いけるやろ、中途半端な距離あかんよ」と声をかけられて奮起。判定まで持ち込む白熱した試合を見せた。接戦の末に敗れ、「1~4回がもったいなかった。後の祭り」と声を詰まらせた。
15年にメキシコ人の妻・シルセさんと結婚。20年5月に長男の望有(のあ)君が生まれ、昨年4月には有里(あり)君が誕生。2児の父となり、初めての世界戦だった。調整期間の3か月は有里君の夜泣きが多く、「迷惑をかけたくない」とシルセさんは2人を連れて帰国。忙しくても、疲れていても、毎日テレビ電話で子供たちに笑顔を見せ続けたのは、自分にとっても頑張る源だったからだ。結婚10周年。「世界王者になってほしい。それが一番のプレゼント」と奥さんは願っていた。「チャンピオンになって…とはあったけど」と和毅は肩を落とした。
敗れたものの、「内容はそんなに悪くない。フェザーで一番強い選手に(あと)一歩のところまできた。自信になる」と前を向いた。
◆亀田 和毅(かめだ・ともき)1991年7月12日、大阪市西成区生まれ。33歳。2008年、メキシコでプロデビュー。13年にWBO世界バンタム級王座奪取。18年にWBC世界スーパーバンタム級暫定王座を獲得し、2階級制覇。長兄・興毅氏は3階級制覇、次兄・大毅氏も2階級制覇(ともに引退)。トレーナーの父・史郎氏、妹の姫月(ひめき)はユーチューバー。家族はメキシコ人のシルセ夫人と長男・望有くん、次男・有里くん。