◆ラグビー リーグワン・プレーオフ準決勝 BL東京31―3神戸(24日、秩父宮ラグビー場)

 昨季王者のBL東京が、初めてプレーオフ(PO)に進んだ神戸を31―3で下し、リーグワンでは初の2連覇に王手をかけた。23年W杯でニュージーランド(NZ)を準優勝に導いたSOリッチー・モウンガ(30)が巧みなゲームコントロールを見せ、守ってはレギュラーシーズン5位の相手をノートライに抑えて“下克上”を許さず。

2季連続で進んだファイナルでは、埼玉―東京ベイの勝者と対戦する。

 王者の貫禄勝ちだった。BL東京は17―3の後半35分から連続トライ。守っては被トライ0の31―3で、試合を締めた。NO8のリーチ・マイケル主将(36)はインタビューで「本当に、勝ってよかった」と一息。準々決勝から勝ち上がった神戸をはね返した。

 世界的司令塔が魅せた。前半3分に先制PGを許し、ラインアウトでもミスが出るなどリズムに乗れない同12分。SOモウンガが、右へ約70メートルの「50:22」を決め陣地をばん回。空気を変え、同15分の逆転トライにつなげた。前半だけで2本の「50:22」など足技で魅せた10番は「風上だったので、相手を敵陣で苦しめる考えだった」と涼しい表情。リーチは「見ていてワクワクします。

試合中でも」と、ファンタジスタをたたえた。

 4季目のリーグワンでは初の2連覇に王手。チームは今季初めから、選手間で「連覇」の言葉を“封印”して目の前の一戦を積み重ねてきた。レギュラーシーズン1位通過のチームが勝てば、これもリーグワンでは初だ。「また、最高の舞台に立つ機会をもらえた。国立を満員にして、府中にトロフィーを持って帰りたい」とリーチ。2年連続で胴上げされる準備は整った。(大谷 翔太)

 ◆50:22(フィフティ・トゥウェンティトゥー) 自陣から蹴ったボールが敵陣22メートルラインより内側でバウンドして外に出ると、マイボールのラインアウトから再開できるルール。直接外に出ると、蹴った位置から相手ボールのラインアウトとなる。

神戸 0トライで力負け デイブ・レニーHC「自分たちより丁寧だった」

 〇…初優勝に届かなかった。前半3分、PGで先制点を奪ったものの、得点はその3点のみ。好機は作ったが80分を通して相手の倍、14個の反則を重ねてノートライに終わった。

デイブ・レニー・ヘッドコーチ(61)は「間違いなく自分たちより丁寧だった」と差を分析。FB李承信共同主将(24)は「どれだけ精度高く、丁寧にプレーできるかというところはこの一戦から学びたい」と、31日の3位決定戦を見据えた。

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