◆第92回日本ダービー・G1(6月1日、東京競馬場・芝2400メートル)
大跳びでエンジンのかかりが遅いエリキング(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎、父キズナ)にとって、前走の皐月賞(11着)はいかにも忙しい競馬だった。内枠が災いし、1角の入りでゴチャついて、外のマスカレードボールと何度も接触。
この中間は在厩で調整され、陣営の意気込みも伝わってくる。5月21日の1週前追い切りは、デビューから手綱を執る川田将雅騎手を背に、栗東・CWコースで79秒8(7ハロン96秒2)―11秒2と、6ハロンの自己ベストを1秒1更新。自らハミを取って気合が乗ってきたが、ゴール後に右手前に替えてまだ余裕があった印象だ。福永助手も「このひと追いでどれだけ調子を上げてくるかだと思います」と指摘するが、一気にスイッチが入ってくるはず。最終追い切りを楽しみにしたい。(玉木 宏征)