手話言語への理解を広めることなどを目的とした「第3回すみだ手話フェスティバル」が25日、東京・墨田区の曳舟文化センターで行われた。来賓として出席した山本亨区長は、開会挨拶の一部を手話でスピーチ。
墨田区では平成31年(2019年)4月に「手話言語及び障害者の意思疎通に関する条例」を施行。障害の有無にかかわらず「手話及び意思疎通手段がより利用しやすい環境」と「相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する地域社会」の実現に向けて制定、周知するために墨田区聴覚障害者協会がイベントを主催、区も後援している。これまでは、ろう者や手話学習者向けだったが、今回は初めて区民ら一般にも参加を募り、講演会やデフリンピック体験会、聴導犬との触れ合い、フリーマーケットなど様々な催し物が用意された。
「耳の聞こえない人たちとのコミュニケーションや、私たちが暮らしやすい街づくりについて知って考えていただく絶好の機会になれば」と主催者。山本区長も「手話の魅力や聴覚障害者への理解が一層広がり、真の共生社会の実現に向け、大きく前進することを期待しています」と話した。
今年は11月15日~26日までの12日間、ろう者の五輪とも言われるデフリンピックが日本で初開催される。1924年にパリでの第1回大会から100周年の記念大会になり、第25回大会となる。70~80の国・地域から選手、役員ら約6000人が参加、21競技が行われる。応援アンバサダーは女優の長濱ねるが務め、この日も会場には東京都作成の「撮り下ろし&サイン入りポスター」が掲出された。
山本区長は「聴覚障害者のみなさまの素晴らしい能力、可能性を日本から世界に発信する絶好の機会になる」と説明。「区ではこうした気運の高まりを持続するとともに、障害の有無によって、分け隔てられることなく、お互いを尊重し合いながらともに暮らし、学び、働く、インクルーシブな地域社会の実現に向け、引き続き全力で取り組んでいきます」と言葉に力を込めた。