◆テニス ▽全仏オープン第2日(26日、フランス・パリ)

 【パリ26日=吉松忠弘】女子シングルス1回戦で、4大大会4度の優勝を誇る世界ランキング49位の大坂なおみ(フリー)が1回戦で逆転負けを喫した。同10位のパウラ・パドサ(スペイン)に7-6、1-6、4-6の2時間21分のフルセットで敗れ、2010年大会1回戦で伊達公子が当時世界9位のサフィナ(ロシア)に勝って以来の全仏日本女子トップ10撃破はならなかった。

 今にも涙がこぼれ落ちそうだった。質問に、言葉を振り絞る姿が、悔しさを物語っていた。第1セット終了後、右手くすり指の治療を受けた。「(18日に閉幕した)ローマ(イタリア国際)以降、手にマメができるようになった。他のコートではできないから、赤土の(プレーから来る)抵抗だと思う」。

 5月のツアー下部大会で自身初めて赤土のコートで優勝。続くイタリア国際では16強まで勝ち上がった。今回は、過去にない赤土への自信を秘めて挑んできた。対戦相手が世界10位の選手だとしても、決して引けをとらないつもりだった。

 だから「周りの人を悲しませることが嫌い。特に、(コーチの)ムラトグルは世界最高の選手と一緒にやってきたのに」と言うと「ここで一体、何をしているの!」と自分を責め、声が震えた。高ぶる感情から、つい、英語の汚い言葉も飛び出た。

 大会広報に一時、退席を勧められ、2分ほど席を外した。戻ってくると、「1回戦で負けるとは思ってなかった」と振り返った。しかし、最後は「次の試合では、今日学んだことを生かせるようにしたい」と必死で前を向いた。

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