◆プロボクシング ▽IBF世界スーパーフェザー級(58・9キロ以下)王座決定戦12回戦 エドアルド・ヌニェス―力石政法▽WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・武居由樹―ユッタポン・トンデイ(5月28日、横浜BUNTAI)

 ダブル世界戦の前日計量が27日、横浜市内のホテルで行われ、IBF世界スーパーフェきょうW世界戦ザー級王座決定戦で世界初挑戦する同級3位・力石政法は規定から100グラム軽い58・8キロで一発クリア。対戦相手の同級1位エドアルド・ヌニェスも58・7キロでパスした。

兄のIBF世界フライ級王者・矢吹正道(32)=LUSH緑=と兄弟同時世界王者を目指す力石は「明日はメンタル勝負」と、メインでV2を目指すWBO世界バンタム級王者・武居由樹とともに、ジムのある横浜での勝利を誓った。

 バキバキに仕上げた力石の肉体から気合があふれ出た。初めて一般公開された前日計量。約50人のファンからは「力石!」の声が飛ぶ。ヌニェスとフェースオフでのにらみ合い。係員が割って入るまで20秒以上も闘志をぶつけ合った。

 「別にスイッチが入ったわけじゃなく冷静でしたよ。ひと仕事終えたな、と」と淡々と話すも「相手は気合が入っとるなと思った。この日のためにやってきたので、高ぶるのは当たり前」と静かに闘志を燃やした。“勝負飯”の焼き肉でエネルギーを補給し、ボクシング初興行の新装・横浜BUNTAIのリングに向かう。

 ヌニェスは28勝全てがKO勝ち。「メンタル勝負になる。

怪物みたいな選手に立ち向かう、勇敢なメンタルが、明日はしっかり必要。そのメンタルをつくり出す覚悟を決めてきた」と力石。昨年7月、大橋ジム移籍後は「逆立ちや階段上りなど、フィジカルトレを徹底的にやった」という。キレッキレの上半身が目立つが「僕的には下半身が強くなった」。鍛え上げた下半身で踏ん張りを利かせて強打を打ち込む覚悟だ。

 兄の矢吹はリングサイドで観戦予定。「近くにいてくれれば、心が折れそうな時に、何かしら力になる」。力石の願いは、兄とともに腰に同じ赤いベルトを巻くことだ。(谷口 隆俊)

編集部おすすめ