史上初めてゴルフのジュニアメジャー4冠を達成し「天才少女」と呼ばれる13歳の須藤弥勒(ゴルフ5/太陽自動車)が27日、来週の日本女子レギュラーツアーのヨネックスレディス(6月6日~8日、新潟・ヨネックスCC)で、現行制度としては史上最年少記録となる予選突破を宣言した。

 弥勒のツアー参戦は4戦目。

幼少期から抜群の存在感を発揮していた弥勒は、昨年8月6日に日本女子プロツアーが定める出場可能な年齢の13歳となり、複数のトーナメントから主催者推薦出場のオファーを受けた。その中で、ニトリレディス(昨年8月22~25日、北海道・桂GC)とゴルフ5レディス(同8月30日~9月1日、岐阜・ゴルフ5CみずなみC)の連戦でツアーデビュー。今季はVポイント×SMBCレディス(千葉・紫CCすみれC、3月21~23日)に出場したが、いずれも予選落ち。プロの高い壁にぶつかっているが、縁が深い今大会に向けて、自信とやる気に満ちあふれている。「予選突破の手応えを感じています」と弥勒は意欲的に話した。

 「(開催地の)新潟は父の実家で祖父が住職をしているお寺があり、大好きなところです。食べ物もおいしい。ヨネックスの方々、新潟の方々は本当に優しく、温かく、すごい応援で、やる気いっぱいになります」と弥勒は、ヨネックスレディスでプレーできる喜びを笑顔で明かした。

 父・憲一さんは「弥勒には三つの故郷があります。生まれた群馬、育った茨城、そして、子供のころから遊びに行っている新潟です。ヨネックスCCがある長岡市は私が住職代理を務めた親戚の寺があり、新潟市の実家の寺も車で1時間ほどなので、地元感が強く、温かく迎えてくれてありがたいです」と感謝する。

 5月の連休を利用し、ヨネックスCCで練習ラウンドを行った。

同CCで開催された最近3大会の予選通過ラインは、2オーバー(21年)、3オーバー(22年)、1アンダー(24年)。「とても難しいコースです。距離が長くないのにスコアが出ない理由が嫌というほど分かりました」と舞台の印象を語る。

 日本女子プロツアーでは2017年に13歳以上という年齢制限が設けられる以前には2011年の大王製紙エリエールレディスで松原由美が12歳270日で予選通過した例があるが、現行制度としては21年のスタンレーレディスで14歳91日で予選通過した新地真美夏が最年少記録。弥勒が今大会で予選通過すれば、現行制度としては史上最年少記録の更新となる。

 「縁が深くて、とても素晴らしい大会のヨネックスレディスで新しい歴史をつくります!」。父の故郷で錦を飾るべく、弥勒は堂々と宣言した。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。13歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。

19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。22年8月に横峯良郎氏に弟子入り。22年1月からアマチュアも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで、ダブル所属契約のゴルフ5と太陽自動車をはじめ計16社に推定総額3億6000万円以上の支援を受ける。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。

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