サザンオールスターズが29日、東京ドームで全国ツアー「LIVE TOUR 2025『THANK YOU SO MUCH!!』」(13か所26公演)の最終日を迎えた。デビュー曲「勝手にシンドバッド」から、10年ぶりの最新アルバムに収録された「ジャンヌ・ダルクによろしく」まで全28曲を披露。
5万人に膨れ上がったドームを見渡した桑田佳祐(69)は「サンキュー、ソーマーッチ!」と右手を掲げ、「東京ドームに帰ってきました。おかげさまで、うれしいような、さみしいような千秋楽でーす」と会場を熱狂させた。
ツアー最終日。桑田は「今日で、終わっちゃう。延長したいです。心の声が聞こえたと思いますけど。明日から仕事がないんですよ」と笑わせたが、決して順風満帆ではなかった。
前回の全国ツアーから6年。5人の平均年齢は69歳になった。(1月中旬の)石川公演後、桑田と原由子(68)がコロナに感染。原はめまいに悩まされ、腰の手術も行った。
国民的バンドとはいえ、時間は平等で、年も取る。それでも、サザンは“今”と向き合う。この日も往年の名曲のみならず、最新アルバム収録曲を歌い届けた。まばゆい“過去”を頼りにせず、“今”と向き合う姿が心を打ち、長らく国民的バンドと呼ばれるゆえん。東京ドーム公演とあって、アンコールでは「東京VICTORY」を歌い、ラストの「勝手にシンドバッド」ではジャビットも入り乱れ、お祭り騒ぎで締めくくった。
13都市を巡ったツアーは、自身最多の60万人を動員。この日全国で行われたライブビューイングには15万人が集まり、グループ最年長記録となる5大ドームツアーも完走した。来月25日に迎えるデビュー47周年を前に、記録にも記憶にも残るツアーを遂げた桑田は、言った。「THE ALFEEより年下。石破総理より年上ですけど。