長唄唄方の杵屋勝四郎が明日31日、東京・よみうり大手町ホールで「煌光(こうこう)会」長唄演奏会(11時開演)を開催する。

 歌舞伎公演にも数多く出演し、長唄唄方の第一人者として知られる勝四郎は4月末に紫綬褒章を受章。

昨年度の日本芸術院賞も受賞している。今回、師籍45周年記念の「煌光会」では、門弟たちが成果を披露する。特別出演として歌舞伎俳優・松本幸四郎が舞踊「雨の五郎」で花を添える。

 また父・勝四郎の元で修行を積み、今年東京芸大を卒業した長女・村治葵が杵屋葵として長唄三味線方としてプロデビューを飾る。葵の兄で“三味線王子”の愛称で親しまれた元アイドル、村治将之助も出演。すでに父と同じ長唄唄方で杵屋勝四助として経験を積んでいる。

 勝四郎は、褒章や受章が続くことに「思いもしなかったのでびっくりしています。しかし、これはもっと後進育成にも力を注げ、という意味が含まれていると思います」と話す。名披露目の葵は「貴重な機会をいただき感謝します。自分のことだけでなく、出演されるたくさんの方々から芸を盗むつもりで多くのものを吸収したい」と真剣だ。

 長唄の道に専念して約5年の勝四助も「声量や声の響かせ方など、まだまだ力を付けなければなりません」と貪欲。勝四郎は「2人の子どもには、血のにじむような稽古を続けていってほしい。

広く長唄の世界を知ってもらうためにも近い将来、親子の勉強会のような定期的な自主公演も考えていきたい」と話している。

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