歌手の小林幸子と横綱・豊昇龍が30日、新潟県十日町市にある越後情話・立浪部屋ファームで「第4回 田植え&ちゃんこ鍋の会」を開催した。

 地元の大スターの凱旋(がいせん)に地元住人約50名が駆けつけた。

2人は地元農家の指導を受けながら、田植機を操縦。小林は「この苗が育って、おいしいお米が育ってほしい。食べた子どもたちが笑顔になってくれれば」とにこやかな表情で話した。初めて操縦した豊昇龍は田植えの形跡を見て「なかなか良いじゃん。楽しいね」と満足げな様子だった。

 豊昇龍は2年前から同イベントに参加。「自分にとって(いい)縁がある場所」と口にした通り、参加当初は関脇だったが、大関、横綱と階段を上り詰めた。大関だった1年前に小林と交わした「横綱になって返ってくる」という約束を果たし、「横綱にじゃなかったら、合わせる顔がなかったので、良かったです」と笑顔を見せた。小林も「2年前会った時は少年の名残があったけど、今は堂々としている。横綱の風格!」と成長した姿に喜びの様子だった。田植えを終えた豊昇龍は「このお米を食べて将来のお相撲さんが出てきてくれれば」と期待感をにじませた。

 米の価格高騰について聞かれた小林は「難しいことは分からないですけど…」と前置きした上で、「農家の人のために国が動いてほしい」と話し、「農家の高齢化や後継者不足が進んでいるので、農業を経験してこの楽しさを体感してほしい」と呼びかけた。

 田植えの後には、立浪部屋の力士によって、ちゃんこ鍋が振る舞われた。小林が「皆さん、おいしいですかー」と問いかけると、「はーい!」「おいしいです!」と大きな声が上がり、地元住人達との交流を楽しんだ。

 新潟県出身の小林は2004年の新潟県中越地震をきっかけに農業支援に着手。4回目の開催となった同イベントは農業および子ども食堂の支援を目的に行っている。

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