歌手・美輪明宏が、30日放送のNHK Eテレ「美輪明宏 愛のモヤモヤ相談室」(毎月最終金曜・午後10時)に出演。実の母に手を挙げてしまったことを悔やむ女性の相談を受けた。
同番組は美輪が相談者のモヤモヤに耳を傾け、珠玉の言葉を紡ぐ相談室。今回は、離婚して女手一つで子育てと介護に向き合ってきた女性が、亡くなった母親を介護していた時に、ひどい言葉を投げかけたり、時には手を挙げるなどしたことに対して「そんな自分を許すことができない」。「母は何も言わなくて、私が謝ると『親子だからいいじゃない』って。『なんでそんなに長生きしてるの』ってきついことを言っても、『迷惑かけるね、ごめんね』って。そんな姿ばかり頭に浮かんで…」と話した。
これを聞いた美輪は「太っ腹ね。まさに母親じゃない。包容力のある優しい方ね」と母親をほめ、女性が「もうかなわないことなんですけど、母にちゃんと謝りたい」と返すと、美輪は「人間というのは、悪いことを覚え、いいことを覚え、尊大になることを覚え、ちっぽけなことでクヨクヨしたり、全部全部修行なんです。お勉強」と語りかけた。
それを聞きながらハンカチで涙をぬぐう女性に「たまにはひどいことやって、いい人になったり悪い人になったり、それでだんだんだんだん優しい慈しみ深い、そういう人柄にみんな最後にはなっていくんですよね。それを今、あなたはおやりになっていらっしゃるのね」と優しい表情で言葉を続けた。
今は、自宅から歩いて5分ほどにある母の墓に行っては、「ごめんね」と言いながら墓石を拭いているという女性。
女性は「会える日が来るのか分からないけど母にまずひと言謝って『どうだった』って胸はって聞けるように生きていけたら」と語ると、美輪は「このわがまま娘が。いいのよ親子じゃないの」と寄り添った。