お笑い芸人のヒューマン中村が2日、都内で単独ライブ「夏のゆうわく」(8月9日、よしもと幕張イオンモール劇場)へ向けた取材会を行った。

 「R―1グランプリ」で過去6度決勝進出を果たしている中村が、6本ほどの新ネタを披露する予定という同ライブ。

中村は「今まで東京でやってたネタとはまた違う感じの完成度の高い75分にするので、ぜひ来ていただきたい。R―1を意識したネタもやる。今回の単独からR―1決勝に行って優勝できるネタをつくりたい」と気合十分だ。

 24年6月に活動拠点を大阪から東京に移し、1年がたった。今回のライブが移籍後初の関東での単独ライブとなる。「甘くはなかった。僕は今年で芸歴23年になる。急に芸歴20年以上の芸人が東京に来て、東京の人間関係に入っていけなかったです。あと、仕事面でも東西の感覚の違いもありましたし、『東京には大阪にない仕事がいっぱいある』と言われてたんですけど、いざ東京に来たら、大阪にない仕事はいっぱいあるけど、その仕事はもう誰かがやっているという…当たり前のことなんですけど」と東京の厳しさも感じるという。

 それでも、「やっとちょっとずつ東京に打ち解けてきた」と1年たってスタートラインに立った感覚もある。仲良くなりたい東京の芸人については「他事務所の方とも仲良くなっていきたい。吉住さんとか単独ライブに出させてもらったりして、本当に吉住さんの単独ライブがすばらしすぎて、くらった。

吉住さんとかそういう方々と仲良くもなりたい」と尊敬するピン芸人の名前を挙げつつ「…みんなと仲良くなりたいです」と話した。

 すでに次回の「R―1グランプリ」を見据えている中村。R―1は「M―1グランプリ」などに比べて、「夢がない」いじりなどを受けがちのため、「僕らからしたらR―1はとても重要な大会なので、ピン芸人以外がR―1に対してやいやい言い過ぎている。ピン芸人も自虐的に言うことはありますけど、僕らは真剣にやってるからあんまりやいやい言わんといてくれ(笑)。R―1のこと言われると胸が苦しくなる」と苦い思いも。「決勝に行くだけと優勝じゃ全然違うと思う」と次大会では優勝を狙いに行く。

 芸人としての目標は。「単独ライブとかお客さんを劇場に集められる人になりたい。ゆくゆくはNGKで60分漫談ライブをやりたいです。ネタもしっかりやり続けて、ネタ以外でも自分の居場所をつくりたい」。R―1グランプリ、そしてその先へ、中村は東京で着実にその歩を進めている。(瀬戸 花音)

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