◆宝塚記念追い切り=6月11日、栗東トレセン
第66回宝塚記念・G1(15日、阪神)の追い切りが11日、東西トレセンで行われた。ファン投票1位で選出されたベラジオオペラは栗東・CWコースの3頭併せで最先着。
軽く促すだけでギアが瞬時に上がった。首を大きく使い、弾むようなフットワーク。ベラジオオペラが万全の仕上がりを全身で体現した。横山和の騎乗で最内から中マコトヴェリーキー(5歳オープン)、外レーウィン(4歳3勝クラス)を大きく追走。直線ではリズムを整えるように手綱を緩めるだけで、2頭から抵抗する瞬間を全く与えないように伸びた。最後に少しだけ気合を乗せると、ラスト1ハロン11秒2と加速し最先着。6ハロンは81秒8。すごみすら伝わった。
上村調教師は併せたマコトに騎乗し、馬上からG1・2勝馬のトップスピードを間近で感じた。「抜け出していく一瞬の脚はやっぱり速かった、反応はすごく良かったと思います」。昨年と同じく大阪杯1着からの臨戦。
今年はコースを20日使い、追い切りを6回行った。昨年は10日使用で、追い切りは3回のみ。1年で“倍増”した。しかも、追い切り以外で昨年の同時期にはなかったコースを2周半も乗る日が3度。とにかく長めを乗っている。「ここを目標に仕上げてきているので、それだけの本数をこなしてきている」とトレーナーは説明する。
前走は上村師が「やっと間に合った」と振り返る状態でレコードV。G1連勝を狙う今回はファン投票1位選出での出走となる。「(前走は)やっぱり強いなって再認識をさせられた競馬でした。ここもしっかりと勝って、中距離路線の王者としての貫禄を見せつけられれば」。
(山本 武志)