◆プロボクシング ▽WBO世界ウエルター級(66・6キロ以下)タイトルマッチ12回戦 王者・ブライアン・ノーマン―同級2位・佐々木尽(6月19日、大田区総合体育館)
日本人初のウエルター級世界王者を目指すWBO同級2位の佐々木尽(23)=八王子中屋=が12日、東京・八王子市の所属ジムで、同級王者・ブライアン・ノーマン(24)=米国=との世界戦へ向けた練習を公開。“過去の自分”を完膚なきまでにKOし、世界王座獲得へ気勢を上げた。
佐々木はロープスキッピング、シャドーボクシング、ドラムミット打ちを披露した後、リング上に自身のパネルを2体置いた。
まずは4年前の日本ユース・スーパーライト級王者時代のパネルと対戦。右ストレートでダウンさせると、追い打ちの右アッパーでとどめを刺した。
続けて、東洋太平洋、WBOアジアパシフィック・ウエルター級王座のベルトを掲げた1年前のパネルと対戦。今度は左フック2連発で吹っ飛ばした。
「やっぱり過去の自分はあんまり強くなかったなと思います。見ての通り、全然動かないし、ディフェンスが甘かったですね。あれじゃ世界じゃ通用しないですよね」とパネル相手に言いたい放題だった。
パネルめった打ちのパフォーマンスは、公開練習が決まってすぐに思い浮かんだという。「世界戦への挑戦者決定戦みたいな感じですね。あれに勝ったから、自分もやっと世界戦ができる。自分を超えないといけないと思いました」
過去の自分と比べても「今はディフェンスもだいぶ良くなりましたね。
ノーマン戦に向け、約150ラウンドのスパーリングを敢行した。5日ほど前に、「4回目ぐらい」のノーマン戦の夢を見たという。「負けちゃったんですよ。3ノックダウンされてて、気づいたら廊下を歩いて『え、俺負けたんですか?』とか言って。本当に悔しくて、俺終わったと思って、本当にヤバかったですよ。で、目覚めたらまだ試合2週間前ぐらいで、良かった、夢だ、みたいな。こんな思いは絶対したくないと思って。1回負けてるんで、リベンジですね」
世界でも最も層の厚い階級の一つであるウエルター級。下馬評ではノーマンが有利とされるが、佐々木は「ノーマンには本気で来てほしい」と語る。
「なめてこられて勝ったとしても、ノーマンがもっと本気でやってれば、とか言われたら嫌じゃないですか。どっちにしろ本気で来ても、自分が勝てると思っている。
ウエルター級世界戦の日本開催は、1989年12月10日に東京・後楽園ホールで尾崎富士雄(帝拳)がWBA王者マーク・ブリーランド(米国)に挑戦し4回TKO負けして以来、36年ぶり。日本人選手の同級での世界挑戦は、2009年10月3日に佐々木基樹(帝拳)がWBA王者ビチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)に挑戦して判定負けして以来16年ぶり6度目(5人目)となる。
戦績は佐々木が19勝(17KO)1敗1分け、ノーマンが27勝(21KO)1無効試合。
興行は、NTTドコモ映像配信プラットフォーム「Leminoプレミアム」で配信される。