◆第66回宝塚記念・G1(6月15日、阪神競馬場・芝2200メートル)

 例年、宝塚記念が終わると阪神競馬場は芝の張り替え、メンテナンスが行われる。ということは、これまでは一年のサイクルで一番最後の荒れた馬場でのレースだったわけだが、今年は2週前倒しで開催される。

 先週から始まった阪神の芝コースについて馬場造園課の本橋賢課長は「クッション性はあったのですが、野芝がしっかりしていてグリップが利いているようなので上がりもいい時計でしたし、コンディションはとてもいいと思います」と説明した。

 今週末は雨予報だが、仮に道悪になっても過去とは違う可能性があるという。「傷みは進むかもしれませんが、そもそも雨が降る前の状態が違います。今年はスタンドリフレッシュ工事の絡みで開催自体も少ないですから」と本橋課長。馬場のプロの意見を参考にしたうえでイメージする当日は、「パワーが必要なタフな道悪」ではなく、「スピードも生きる道悪」。G1でパッと思いつくのはレイパパレが逃げ切って4馬身差で圧勝した21年の大阪杯(重)だが、今回のメンバーならメイショウタバルだ。

 単に同じ逃げ馬というだけではなく、重馬場だった24年の毎日杯を6馬身差で圧勝したときの走破時計1分46秒0は、良馬場の今年の1分45秒9(勝ち馬ファンダム)と0秒1差。脚質的に馬場が良いところを選んで運べるメリットがあり、鞍上は歴代最多の4勝を誇る武豊。波乱の立役者となる可能性は十分にある。(西山 智昭)

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