プロボクシング元IBF、元WBO女子世界アトム級(46・2キロ以下)王者の岩川美花(姫路木下)が、41歳での世界王座返り咲きに挑む。14日(日本時間15日)、敵地メキシコでのWBC同級暫定王座決定戦で、同級8位の17歳、カミラ・サモラノ(メキシコ)と対戦。

試合に向けて60回のスパーリングをこなした同級4位の岩川は、このほど所属ジムで練習を公開した。「打ち感が良くなった。成長しすぎ」と笑顔。「このままいけばベルトは取れる」と自信をみなぎらせた。

 昨年1月、山中菫(真正)に判定負けしてIBF王座から陥落し、無冠となった。腰の痛みから、3か月後にヘルニアの手術を決断。それでも、思うように体は動かない。引退も考えたが、不完全燃焼で終わりたくなかった。「あと一回、タイトルを取りたい」。長く苦しいリハビリを乗り越えられたのは、諦められない夢があったからだ。

 術後、リハビリ施設で出会った理学療法士に指導を仰ぎ、体の動かし方を一から学んだ。「今まで体の使い方を間違っていた。

けがの功名。回復するにつれて、パフォーマンスが上がった」。手に入れたのは「ブレない、当たり負けしない体幹」だという。

 25歳から始めたボクシング。「今が一番、自信がある」と胸を張る。男女通じた国内の世界王座獲得の最年長記録は、14年5月にWBOアトム級王者となった池山直(フュチュール)の44歳8か月。その池山から同王座を奪った岩川も「45歳までやる。2回は防衛したい」と志は高い。故障を乗り越えたベテランが、ふた回り年下のサモラノとの「24歳差対決」を制し、再び輝く。(森脇 瑠香)

 ◆岩川 美花(いわかわ・みか)1983年7月26日、高知・香南市生まれ。41歳。元世界王者・畑山隆則氏に憧れて高校卒業後、大阪のアマチュアジムでボクシングを始める。

2010年、全日本女子選手権優勝。11年に井岡ジム(現井岡弘樹ジム)からプロデビュー。14年に高砂ジム移籍。18年7月にWBO女子世界アトム級王座奪取。21年に姫路木下ジム移籍。同王座陥落後の22年9月、IBF同級王座獲得。24年1月、同王座陥落。身長160センチの右ボクサーファイター。

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