◆第32回函館スプリントS・G3(6月14日、函館競馬場・芝1200メートル、良)
サマースプリントシリーズ初戦の第32回函館スプリントS・G3が14日、函館競馬場で行われ、3度目の重賞挑戦となったカピリナが1分6秒6のコースレコードで重賞初制覇を飾った。17年の同レースでジューヌエコールがマークした記録を0秒2更新した。
人馬ともに待望の勝利だった。スタートで若干つまずいたカピリナは道中6番手。残り200メートルで前が開くと早めに先頭に立っていたジューンブレアと並んでゴール。5センチの鼻差での辛勝に、戸崎は「勝っているか分からなかったし、写真判定も長かったのでホッとした」と安堵(あんど)。自厩舎では5回の重賞騎乗で2着2回。あと一歩で勝利を逃してきただけに「田島厩舎で勝てたのはうれしい。ベリーベリーホースです(笑)」と、今年のドバイ・シーマクラシックを制したダノンデサイルの馬上で発したセリフを繰り出し、笑顔を見せた。
田島厩舎は姉のレイハリアでの21年キーンランドC以来となる重賞制覇。「初めての(戸崎)圭太との重賞勝利はうれしい」と喜ぶ田島調教師は、「6秒台の決着に対応して力をつけている」と成長に目を細め、スプリンターズS(9月28日、中山)を今後の目標に掲げた。オーナーと相談のうえ、サマースプリントシリーズ参戦も視野。函館の記録を塗り替えた孝行娘がスプリント界を盛り上げる。(浅子 祐貴)
◆カピリナ 父ダンカーク、母ライトリーチューン(父マンハッタンカフェ)。