◆柔道 世界選手権 第2日(14日、ブダペスト)

 男女計2階級が行われ、女子52キロ級はパリ五輪代表の阿部詩(24)が自身5度目の優勝を飾り、完全復活だ。決勝でディストリア・クラスニチ(29)=コソボ=に一本勝ちを収め、昨年のパリ五輪で2回戦敗退となった雪辱を果たし、世界女王に返り咲いた。

兄の一二三(27)は男子66キロ級の準々決勝で敗れたが、3位決定戦で勝って五輪2連覇の意地。同級は武岡毅(26)=いずれもパーク24=が勝って初優勝を果たした。

 一二三が、パリ五輪王者の意地は見せた。準々決勝で伏兵のオビド・ゼボフ(タジキスタン)にまさかの一本負け。この階級で海外勢に敗れるのは2019年2月以来6年ぶりで、日本男子単独最多となる5度目の優勝を逃した。それでも3位決定戦を制して銅メダル。「改めて悔しい気持ちを感じられた。ロサンゼルス五輪に向けて、恐ろしく強くなれる」と前を向いた。

 この日の女子52キロ級では、妹の詩が5度目の優勝。詩が敗れ、自身が2連覇を達成したパリ五輪とは逆の立場になった。「僕も負けていられない。もっと強くなる」と一二三。

19年8月に最後に敗れた相手、丸山城志郎とのライバル関係にも触れながら、「僕は勝った、負けたを繰り返して強くなれる。あとは成長するだけ」と強調した。再び28年ロス五輪で目指すのは“兄妹V”。21年東京五輪の再現へ、切磋琢磨(せっさたくま)を続けていく。

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