JRAは6月15日、2025年度の顕彰馬に今回が対象初年度だったG1・6勝のイクイノックス(牡6歳)を選定したと発表した。
中央競馬の発展に特に貢献があった馬をたたえるもので、24年のコントレイル、キングカメハメハに続き38頭目。
同馬は21年8月のデビュー戦から連勝で東京スポーツ杯2歳Sを制し重賞初制覇。父キタサンブラックに初の重賞タイトルをもたらした。22年の皐月賞、日本ダービーはともに2着に敗れたが、同年10月には史上最も早いキャリア5戦目での天皇賞・秋制覇でG1タイトルを獲得。続く有馬記念で1番人気に応えてG1連勝を飾ると、記者投票総数288票中282票の支持を集め、22年の年度代表馬に選出された。
23年の始動戦となった3月のドバイ・シーマクラシックでは、逃げてレコードを記録する圧勝。この走りが評価され同年4月、「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で日本馬3頭目となる単独1位に選ばれた。
国内復帰戦の宝塚記念を制すると、天皇賞・秋は1分55秒2のスーパーレコードで連覇。引退レースとなったジャパンCでは同年の牝馬3冠馬リバティアイランドを退け完勝し、史上初のG1・6連戦6連勝を達成した。
23年度の年度代表馬に295票中293票の圧倒的支持を集め、2年連続の選出。24年1月には、23年の「ロンジンワールドベストレースホースランキング」の年間世界ランク1位に輝くとともに、ジャパンCが同年の世界年間ベストレースに選ばれた。
引退後は、北海道安平町の社台スタリオンステーションで種牡馬入り。種付け初年度となった24年には204頭に種付けした。今年7月15日のセレクトセール当歳セッションに産駒が上場予定で、どれだけの高値がつくのかにも注目が集まっている。
父キタサンブラック、母シャトーブランシュ(父キングヘイロー)。通算成績は10戦8勝。総獲得賞金は22億1544万6100円。北海道安平町・ノーザンファームの生産。現役時代は美浦・木村哲也厩舎所属。馬主は(有)シルクレーシング。
シルクレーシング・米本昌史代表「この度は名誉ある顕彰馬に選定いただき大変光栄に存じます。2年余りの競走生活でありましたが、その圧倒的なパフォーマンスで数々の記録を打ち立てるだけでなく、2023年のロンジン・ワールドベストレースホースにも選ばれ、日本競馬が世界に誇れるレベルに達していることを、自らの走りで証明してくれました。木村哲也厩舎の皆様、ルメール騎手をはじめイクイノックスに携わっていただいた全ての関係者に感謝申し上げるとともに、出資会員の皆様はもちろん、温かい声援を送っていただいたファンの皆様と喜びを分かち合いたいと思います。
木村哲也調教師「この度は多くの方々の支持をいただき顕彰馬選定していただきましたこと、厩舎関係者を代表して御礼申し上げます。イクイノックスが引退レースとなったジャパンカップを制覇したことが、まだ記憶に新しいこのタイミングで選定いただきましたことは、彼が日本の競馬史に確かな足跡を残すことが出来た証であると思っております。今後はイクイノックスを管理させていただく中で得られた経験を、その子供たちをはじめとする次世代の若駒たちに注ぎ、多くのファンの皆様に、なお一層喜んでいただくべく尽力して参る所存です。引き続きファンの皆様のご支援のほど、よろしくお願い申し上げます」