◆「中山教頭の人生テスト」(佐向大監督、20日公開)
名バイプレーヤー・渋川清彦演じる小学校の教頭が、次々と起こる出来事に悩みながら、「人生の答え」を導き出していく人間ドラマ。
主人公の中山は、教員生活30年を迎えたベテラン。
「“罰”として漢字書き取り5ページ」のセリフに思わず懐かしさを感じさせたように、小学校が舞台の作品が多々ある中で、公立小の「リアル」が描き出されている。その「日常」の中で起こる小さな「非日常」に直面した時、人間はどうするのか? 作品の序盤では逃げ、見ないふりをしていたのが、「非日常も日常の中の一つの出来事」として消化するようになる中山の変化を見ると、「まあ、頑張って生きてみようよ」と励まされたような気分になった。(高柳 哲人)