俳優・竹中直人が19日、所属事務所を通じ、12日に肺炎のため死去した女優・藤村志保(ふじむら・しほ、本名静永操=しずなが・みさお)さんを追悼した。

 藤村さんは、竹中が監督した映画「東京日和」(1997年公開)に、旅館の女将役で出演。

藤村さんが、圧迫骨折のためナレーションを降板したNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(2014年)で、竹中は豊臣秀吉役で出演するなどの縁があった。

 竹中は映画「東京日和」の撮影を「35ミリのフィルムカメラの前にしっとりと佇む藤村志保さんはまさに日本映画の美だった。そして映画女優だった。その姿を見つめられた時間は今もぼくの宝物です」と回想。「品があってお茶目で優しかった藤村志保さん、またいつか逢える日まで」などと悼んだ。

 関係者によると、藤村さんは先月末に転倒したことをきっかけに病院を受診し、検査入院。その後は体調不良なども重なり、今月12日に入院先の都内病院で、家族に見守られながら息を引き取ったという。

 ◆竹中直人の追悼コメント

 子供の頃、暗闇のスクリーンで見つめた女優。なんとも言えないあの眼差しと、モノクロームの画面に映る肌の白さと、声の音色と、その名前の響きが幼かったぼくの心に深く刻まれた。藤村志保…まさかぼくの監督映画【東京日和】(97)に出演してくださるなんて思ってもいなかった。

 35ミリのフィルムカメラの前にしっとりと佇む藤村志保さんはまさに日本映画の美だった。そして映画女優だった。

その姿を見つめられた時間は今もぼくの宝物です。品があってお茶目で優しかった藤村志保さん、またいつか逢える日まで。

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