NHK朝の連続テレビ小説「澪(みお)つくし」や大河ドラマ「独眼竜政宗」などで知られる脚本家のジェームス三木さんが、肺炎のため14日に都内の病院で死去した。家族が19日、最期の様子などを明らかにした。

91歳だった。葬儀は近親者で行った。喪主は妻・山下直子(やました・なおこ)さん。直子さんは、三木さんの近況を4月に体調を崩して入院し、一時は回復したが、自宅静養中の今月13日に急変し、翌日死去したと説明した。

 ジェームス三木さんが脚本を手がけた1980年放送の日テレ系「手ごろな女」がテレビドラマ初主演作となった泉ピン子(77)が19日、スポーツ報知の取材に応じ、悼んだ。

 三木さんが脚本を務めた80年放送の日テレ系「かたぐるまII」にも出演したピン子。「キャバレーで働いている母親役をやった。マスカラ付けたまま泣いて、顔を真っ黒にしたら『こういう女優はいない』って言って三木先生がその後、主役に使ってくれたの」と初主演作抜てきの裏側を明かした。

 忘れられない言葉がある。「『おまえはブスだからいいんだ』って言われたことがあるの。『美人できれいな女優はいっぱいいるけど、ブスな女優はいないから、おまえはいい』って」

 三木さんの人柄については「とっても面白い人でした。非常におおらかで、何事にもとらわれない人だった」。

自宅に遊びにいったこともあるというが、「ここ最近はお会いできてなかった。どうしているかなと思っていた」と気にかけていたという。

 誰よりも早く女優として認めてくれた恩人の死。「先生は冗談が大好きだったらから、暗くならないように。悼むじゃなくて、『お待ちください。またあの世でね』って言いたい」と故人を送った。

編集部おすすめ