◆陸上◇全道高校体育大会(19日、旭川・花咲スポーツ公園陸上競技場)

 個人10種目で決勝が行われた。女子800メートルは、旭川龍谷の木田美緒莉(3年)が2年ぶりの優勝。

2分6秒45で道高校と大会記録を33年ぶりに更新した。男子5000メートルは、東海大札幌の吉田星(せい、2年)が昨年の全国高校総体を制した札幌山の手・ガユ・サミュエル(3年)を破って、頂点に立った。

 両手を大きく広げ、空を見上げながら旭川龍谷・木田がゴールラインを駆け抜けた。92年に保坂よし子(室蘭大谷、現・道大谷室蘭)がマークした、道高校(2分7秒14)と大会記録(2分9秒60)を32年ぶりに更新。「今まで(2分)11秒をなかなか切れなくて悩んでいた。北海道記録までは想定外。うれしい」と涙をぬぐった。

 前日の1500メートルを大会新記録で制し、800メートルでも好記録を狙ってスタートした。普段より1~2秒ほど速い62秒の設定タイム通りに前半400メートルを通過。後半はライバルたちを突き放し、2位に9秒11差をつけて圧勝した。

 800メートルは中学3年時の全国中学で3位などの実績があるが、昨年はスタミナ強化のために1500メートルと3000メートルのレースに出場してきた。持ち味だったバネのある走りに加え、「持久力がついて押せるようになって、スピードの切り替えが生きるようになってきた」と阿部文仁監督(49)。

2年ぶりの全道高校で自己ベストを一気に5秒近く更新してみせた。

 全国高校総体(7月25~29日、広島)では1500メートルに重きを置く予定だったが、監督は「欲が出ますね。直前で調子がいい方に決めようかな」とうれしい誤算に苦笑い。木田は「入賞したい。インターハイは自分より速い人がいるので、そのスピードに乗っていってまた記録を更新したい」と目標を口にした。(島山 知房)

 〇…男子5000メートルの東海大札幌・吉田はゴール後、大声で叫んで悔しさをあらわにした。設定したタイムは13分台。34.5度の気温の中、終始独走状態でも奮闘を続けたが0秒70届かず、「単独でも13分台を出さなきゃ強くない。すごい悔しい」と唇をかんだ。23年全国中学3000メートルを制し、本州強豪校からも誘いを受けた逸材は、「インターハイはタイムじゃなくて順位。日本人3位以内に入る」と全国での雪辱を誓った。

 【男子】▽5000メートル 〈1〉吉田星(東海大札幌)14分0秒70▽400メートル障害 〈1〉若松寛大(北海道栄)52秒38▽800メートル 〈1〉山本和生(帯広柏葉)1分54秒01▽走り高跳び 〈1〉坂本唯斗(立命館慶祥)2メートル▽やり投げ 〈1〉清水佑真(帯広柏葉)60メートル13

【女子】▽400メートル障害 〈1〉岩佐夏葵(立命館慶祥)1分1秒56▽走り幅跳び 〈1〉塚越美琶(旭川龍谷)5メートル71▽800メートル 〈1〉木田美緒莉(旭川龍谷)2分6秒45=道高校新、大会新▽円盤投げ 〈1〉落合夢(旭川志峯)41メートル42▽七種競技 〈1〉相馬可夏子(北見緑陵)2663点

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