FC東京の小原光城GMが20日、小平グラウンドで報道陣の取材に応じた。松橋力蔵監督を迎えた今季、チームは現在リーグ戦19試合を終え、5勝5分け9敗の勝ち点20で17位。
チームは6月上旬の移籍期間でGKキムスンギュ、DF室屋成、アレクサンダー・ショルツ、FW長倉幹樹と4人の積極補強を敢行した。小原GMは補強についても語った。
「我々は結果も含めてだが、(この補強期間を)どう使っていくかというのをシーズン前からさまざまな準備をしてきた。目的としては今のチームの状況を考えると、攻守にわたった質の底上げというところが大前提にある。この後の夏のウィンドーでの、選手の出入りみたいなところも見据えて獲得したところがある。今の成績を考えたときに、すぐにチームにアジャストできる選手というのは非常に大きい。外国人も、Jリーグを熟知しているような経験を持った選手であったり、言葉も分かったりというところも含めて、というのがある。(現有のチームに)若い選手が比較的多いので、選手たちのサポートし、経験から、チームに落ち着き、安定をもたらしてくれるように、この辺を意識して動いた」
5季ぶり古巣復帰となった室屋に関しては「数年前からコンタクトを取っていて、数年前に一回チャンスはあったが、そこではかなわなかった。(今回)このポジションはマストの、一番目の補強ポジションではなかった。ただ契約が切れるタイミングで複数の選択肢がある中、どうしてもFC東京に戻ってきたいという強い思いをかなり前の段階からもらっていたので、そこに応えること、タイミングもしっかりと合った。
カタールから移籍し、昨夏まで浦和でプレー経験があるショルツについては「皆さんご存知だと思うが、とくに失点が多いというところで言うと、原因の一つは集中力であったり、危機察知、アラートであったりという部分で、防げた失点が多いと思う。そういった時に彼のリーダーシップであったり、ディフェンスラインの統率力が非常に大きいと思っている。守備もそうだが、攻撃の起点となれる彼のフィード能力は、かなり高いものを持っている。より効果的に相手陣内に入っていく。できるだけ早く入って相手陣内でしっかりと押し込んでいくというところを実現してくれることに、長けている選手かなと思い獲得した。日本語もかなり理解していて、選手とのコミュニケーションも非常にスムーズにできる」
浦和から期限付き移籍の長倉に関しては「新潟時代に松橋監督と一緒に戦っている。何を考えているか、どんなフットボールの思考があるかというのを、まずしっかり分かっているというのが一つ大きなポイントだった。彼には得点とチャンスメイクを期待していて、当然ボックス内での落ち着き、飛び込む強さ。前線でタメを作れる選手がもう一人必要だと思っていて、それが相手に脅威を与え、我々の攻撃にバリエーションを与えてくれる。もう一つは、一試合を通して高強度のフィジカル能力が非常に高いというところ」と説明した。
GKキムについては「昨年11月、(ひざの)前十字靱帯(じんたい)を断裂した。復帰から(状態が)戻ってきている中、韓国国内からもオファーはあったが、彼はより高い水準で、FC東京でこの復帰のプロセスを踏んで、26年W杯の(韓国)代表に帰り咲きたいという思いを持っていて、タイミングが合ったというところ」と話した。
また、1月の新体制発表の段階でも昨季の7位からの巻き返しへ、クラブ内でシーズン目標を共有しているとしていたが、現状を踏まえ、小原GMは目標について次のように明かした。
「そこはもう下方修正をして、明確に数字を打っていこうと思う。ただ、目の前の試合でしっかりと勝ち点3を取っていくこと、前半戦にもあったように最後の最後で失点をして勝ち点を落としていくような試合をしっかりと勝ち点1も含めて、しっかりと取っていくというところが大事になる。もちろん背伸びはせずだが、補強を含めてやっていけば、前半、後半(で考えれば)その全体的なクラブ内で展開した基準に近いものが後半戦だけで見ると出せるとも思っている」