TOKIOの国分太一(50)がコンプライアンス違反で無期限活動休止することを20日、副社長を務める株式会社「TOKIO」が発表。日本テレビは国分の同局系「ザ!鉄腕!DASH!」(日曜・後7時)の降板を発表した。
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日本テレビが午前11時半に、国分の「ザ!鉄腕!DASH!」降板を発表してからわずか1時間半後、福田博之社長が自らの口で一連の事態を説明した。東京・汐留の同局に46社76人の報道陣が集まる中、「国分太一さんにつきまして過去に複数のコンプライアンス上、問題ある行為が認められた」と改めて発表した。
福田社長が、問題を把握したのは5月27日。「許されない行為で、覚知した瞬間に降板を考えた」と深刻に受け止め、「即日に近い形で速やかに、顧問弁護士ではなく新たに選定した複数人の外部弁護士など第三者による調査を開始した」。約3週間にわたり関係する複数人へのヒアリングを慎重に行い、国分に問題行為があったことが認められたため、この日臨時取締役会で番組降板を正式決定した。
「コンプライアンス上の問題」が広義であることや事態の輪郭が見えないことから、「スタッフへの暴力か?」「業務の延長線上の問題か?」などと質問が飛んだ。福田社長は1時間半の取材対応で、問題の詳細や被害者の有無、番組との関連性について「プライバシー保護の観点から申し上げることができない」などと30回近く繰り返し、具体性のある説明を回避。一方で、刑事告訴や損害賠償などは求めない方針であることを語った。
番組の顔が“退場”する事態を余儀なくされながらも、放送を継続する理由は「起用した責任は感じている。しかし出演者自体に問題があったのであって、番組に問題があったわけではないため」と強調。国分の問題行為に、他の出演者や同局局員が関与したかどうかについては「全くない」と明言した。
また、先月27日に問題を把握以降の同番組について「(第三者による)調査中は(国分は)出ない方がいいだろうという判断した」と、局が自主的に国分の出演シーンをカットしていたことも説明。
「ただただショックを受けた」
福田社長に聞く
―番組の降板を取締役会を開いて決めるのは異例だが。
「長く続いている番組、愛されている番組ということで、しっかりガバナンスを利かした判断をする必要があると決心した」
―反社会的集団、暴力団との関係があるんじゃないかといううわさもあるが。
「それはない」
―コンプライアンス違反は総務省に報告するのか。
「取締役会の決定の後、正式にこういうことを決めたと報告している」
―国分は何と言っているのか。
「降板することになり本当に申し訳ないと思っているという話をされていると聞いている」
―日本テレビ社員の処分はあるのか。
「ない」
―降板を伝えたのはいつか。
「正式に降板を決めたのは本日だが、本人に話をしたのは一昨日(18日)。番組の責任者、担当役員から申し上げた。私は同席していない」
―数年前から知っていて、隠蔽(いんぺい)していたことは。
「ない」
―STARTO社のタレントの(「―DASH!」への)起用方針は変わらないか。
「今後の検討になると思う」
―覚知のきっかけは会社の内部か、外部か。
「私が聞いたのは、社内の関わりのある人間から」
―事案を聞いた際は。
「いや、もう、ただただショックを受けた。残念でしょうがない。信じたくない」
―5月27日に複数の違反事案を同時に聞いたのか。
「事案は1件。結果的に複数確認したということ」
―日本テレビが問題行為を把握しているということを国分が認識したのはいつか。
「一昨日になる」
―取締役会で降板はやりすぎだなどの異論は。
「全て取締役は理解した。ふさわしいものだ、評価するという話だった」