◆陸上・東海高校総体 第1日 (20日・三重交通Gスポーツの杜 伊勢陸上競技場)
女子棒高跳びで塚原美聡(磐田南3年)が3メートル60をマークして初優勝。自己ベストの3メートル30を大きく更新し、2位に30センチの差をつけて全国総体(7月25日開幕・広島)切符を手に入れた。
塚原は空中で勝利の余韻に浸った。女子棒高跳びで3メートル60を一発クリアすると、バーを越えてゆっくりと落下する時間を楽しむようにガッツポーズを繰り出した。「うれしかった。あの時間が、棒高跳びのいいところです」と笑みを見せた。
その後、磐田南の高校記録である3メートル71に挑戦したが失敗。自己ベストは4月の西部総体でマークした3メートル30で、県大会では3メートル20に終わったが大舞台で大きく記録を伸ばした。
1週間前に捻挫した首にテーピングをしての出場ながら、手応えはあった。「最近(3メートル)50をコンスタントに跳べるようになったので、その調子でいこうと思った」。1か月ほど前に硬いポールに変えて反発を利用。使いこなせるようになったことで、好記録につながった。
中学までは走り幅跳びの選手だったが、高校入学後に先輩に誘われて転向。ポールを扱う腕の力を必要とするため、高校では一気に連続で腕立てを行う伝統の「限界腕立て」メニューで鍛えている。「入学当初はまったくできなかったけど、今ではMAXで70回ぐらいはできるようになった」。地道な努力が実を結んだ。
小学校時代はタグラグビーで日本一を経験したスポーツ万能娘。「体を動かすことは小さい時から好きでした」。棒高跳びを始めて2年3か月で東海を制し「ゼロからのスタートでここまでこられたのは先輩やOB、色々な人のおかげです」と感謝した。伸び盛りの3年生が、全国でもビッグジャンプを見せる。(塩沢 武士)
〇…男子ハンマー投げで斎藤が自己ベストの60メートル44で2位に入り、今大会の県勢で全国出場一番乗りを決めた。これまでの自己記録58メートル17を2メートル以上更新。「理想通りの投げができた」と胸を張った。招集の時には緊張のあまりスパッツを忘れたというが「むしろ、それで(緊張が)解けたかも」と笑う。
〇…男子1500メートルで小林は残り250メートル付近で先頭を譲ったものの、ラスト50メートルで抜き返した。「本当は逃げ切りたかったけど、ハイペースで行ってギアを入れ替えることができた」と満足顔。予選を3分49秒42で突破すると、決勝も3分49秒11で走破し「2走とも自己ベストを出せて良かった」。21日は得意の800メートルが開催。東海2冠で2つ目の全国切符獲得を目指し、幸先よくスタートした。