◆明治安田J1リーグ▽第21節 柏3―3京都(21日・三協F柏)
柏と京都の上位対決は、壮絶な打ち合いとなって3―3のドロー決着となった。その中で京都の36歳FW長沢駿が、上位争いのビッグゲームで今季2点目となるゴールを奪った。
今季4年ぶりのJ1で、5月11日の名古屋戦に続く得点に「(原)太智がいいボールをくれた。僕らしい(ゴール)というか。本当に感謝したい。相手の裏に入って、(クロスを)蹴る瞬間に前に入る感じ。でも本当に、太智が僕が欲しいボールを完璧にくれたので、あとは触るだけでした。でも勝ちたかったです」と仲間への感謝を繰り返した。
清水の下部組織出身で、192センチの高さと足元の柔らかさを兼ね備えた大型FWとしてG大阪などで活躍してきた長沢。しかし23年末にはJ2大分で契約満了を経験。この時は異例の再契約、という形で24年も大分でプレーし、チーム最多の6ゴールを挙げた。しかし再び契約満了に。
「(J1通算)48点というのは、大分時代からわかっていたし、そこからJ2を経験して、こういう形で50点取れるとは思っていなかった。心のどこかにモヤモヤがある感じはあった。J1でプレーできるチャンスをもらって、50点取りたい、と思っていた部分もあったので、すごくうれしい気持ちと、やっていけばこうやって日の目が当たることができるのかな、と思いました」。悔しい経験も経て、到達したひとつの節目を素直に喜んだ。
年齢は36歳となったが「自分の中の感覚はまだまだ劣っていないと感じていますし、体ももちろんしんどいなと感じることはありますけど疲労感などを意識せずやれています。それ以上にサッカーをやれている幸せ、チャンスをもらえているからこその楽しさが上回っています」と話した長沢。この日は勝ちきることはできなかったが、アウェーで貴重な勝ち点1に貢献。上位争いを続ける京都の中で、円熟の技を発揮した。