俳優のオダギリジョーが主演、共同プロデューサーを務める映画「夏の砂の上」(玉田真也監督)が21日に中国・上海で行われた第27回上海国際映画祭授賞式で審査員特別賞に選ばれた。日本映画では「リリイ・シュシュのすべて」(岩井俊二監督)以来、23年ぶりの受賞となる。
愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女…それぞれが夏の砂のように乾き切った心に、小さな希望を見つけていく物語。オダギリは「海外で日本の作品が選ばれるというのは、ちゃんと伝わっているんだなと安心になるし、(映画作りを)これからも頑張っていこうという活力になります。よくよく振り返ると、自分は今回プロデューサーの立場でもあるので改めてうれしいです」と喜んだ。
ヒロインを務め、海外映画祭初参加となった高石あかりは「自分の俳優人生にとってすごく大切な作品。まずは日本の方に届けていきたい」と喜びのスピーチ。玉田監督は「ずっと念願だった企画。考えられる限りの最高の出演者に集まっていただいてベストを尽くした作品のひとつの結果が出てうれしい」と語った。
上海国際映画祭では、2023年に菊地凛子の主演映画「658km、陽子の旅」が作品賞、女優賞、脚本賞の3冠を獲得。昨年はアニメ映画「きみの色」(山田尚子監督)が最優秀アニメ作品賞を受賞している。