フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主総会が25日、東京・江東区の有明アリーナで行われた。40年以上にわたって会社経営の中枢にあった日枝久氏(87)は、取締役相談役の退任が正式に決まった。
総会後、同局内で取材に応じた傘下のフジテレビ社長でフジ・メディアHDの清水賢治専務は、日枝氏に退職金が支給されることについて聞かれた。フジ・メディアHDの退職慰労金が2008年に廃止されているが「それまで務めていた方への支給が株主総会で決議されている。その支給がいつ実行されるかというような状態だった」と背景を説明した。一連の問題においての責任追及に関して、監査役が独立した弁護士に依頼して調査を実施。責任追及の対象はフジテレビの港浩一前社長と大多亮元専務の2人だったと認定されており、日枝氏への退職金支給は「過去の株主総会の決議を覆す法的根拠がない」との弁護士の見解を得ているという。支給額については明らかにしなかった。
清水氏は日枝氏が騒動後、無言を貫いて退任したことについて言及。会社を代表して日枝氏が発言する必要性は否定したが、「これだけ長く務めた方ですし、何かしら心情とか、今の時代について思うこととかあると思いますし、聞きたい人も多いのではないかと思う。去るにあたって個人としてのコメントはあってもいいのかもしれない」との考えを示した。
日枝氏はこの日、昨年までは出席していた株主総会に出席しなかった。株主総会の前に清水専務はやりとりがあったというが、内容は「かなりプライベートに近いようなこと」とし、明かさなかった。