【米ロサンゼルス=松下大樹】歌手のLiSA(38)が24日(日本時間25日)に「YouTube Theater」でライブを行い、満員の6000人を魅了した。現在、自身初となる北米ツアー(全3都市5公演)中。
LiSAにとっても、想像以上の盛り上がりだった。「本当に私のこと知ってるの? 信じられない!」。「YouTube Theater」には、満員となる6000人が集結。自身の歌声に合わせてファンも大合唱する熱狂ぶりに「とても楽しい」と満面の笑みを見せた。
本番前は「どんな反応が返ってくるのか想像できなかった」という不安の中、ステージでは「炎」など全18曲を歌唱。ファンも声をからすほどの声援でLiSAのパフォーマンスに応えた。代表曲「紅蓮華」では、この日一番の歓声が響き渡り「ここは日本じゃないかと錯覚するぐらいでした」と目を丸くした。同曲が主題歌の「鬼滅の刃」シリーズは映画もアニメも世界的な人気。関係者によると、同作からLiSAを知ったファンも多いという。
21日(同22日)には、ドジャースタジアムでドジャース対ナショナルズを生観戦。大谷翔平投手は4打数無安打に終わったが、同じ日本人が戦う姿に刺激を受け、自身もライブに臨んだ。
憧れのステージにも立った。23日(同24日)は、ロサンゼルスの伝統的なライブハウスとして知られる「The Roxy Theatre」でのステージが実現。同所は50年以上の伝統を持つライブハウスとして知られ、自身も14年前に「ロックスターになる」という夢を胸に立ち寄った場所だ。その思いをのせた曲「best day,best way」など全15曲を歌唱し「夢をかなえさせてくれてありがとう」と喜びを爆発させた。
さらに、24日は38歳の誕生日だったこともあり、客席からは「ハッピーバースデー」のサプライズ歌唱も。集まった500人からの粋なプレゼントに「スペシャルな誕生日になったよ」と目頭を熱くした。
ツアーは28日(同29日)のメキシコ公演を残しているが、初日のニューヨーク公演から4ステージを終え「すごく自信になりました」と胸を張る。「いつもと違う環境の中でハードルを何も感じないでライブができたこと、楽しんでくれる皆さんがいてくれたこと。それを経験したから強くなったと思います」。また一つ、ステップすることができた。
最後は6000人が総立ちとなった光景を前に「Thank you!」を連呼。「絶対また会おうね! またすぐに帰ってくるからね」。
9月から日本ツアー 〇…9月からは日本での全国ツアーも予定しており「この北米ツアーでファンのみんなからもらったエネルギーと愛情をそのままお届けしたいです」と前のめり。「日本の人たちのすごさをもっと引き出したい。アメリカがこんなにすごいんだから、『ホームの日本はもっとすごいライブを作れるはず!』という期待も持ってツアーをまわりたいなと思います」。この勢いに乗り、日本でも熱いライブを作り上げていく。
◆The Roxy Theatre(ザ・ロキシー・シアター)1973年に開場したライブハウス。フランク・ザッパ、テンプテーションズなど米国の有名アーティストが若手時代にライブを行ったことで知られ、同国の伝統的な音楽会場の一つとなっている。