◆明治安田J2第21節 富山1―0千葉(28日、富山県総合運動公園陸上競技場)

 カターレ富山は1―0で2位の千葉を下し、3月9日の磐田戦以来17試合ぶりの勝利を飾った。17位に浮上しJ3自動降格圏を脱出。

終盤の千葉の猛攻を耐え、試合終了のホイッスルが鳴り響くと、6448人のサポーターが訪れたスタンドからは大歓声がわき起こった。後半30分に決勝ゴールを挙げたFW吉平翼(27)は「サポーターにはふがいない思いをさせてきたが、後押しをしてくれた。前半からすごく気持ちが入り、いいゲームが出来ていた。これからまだ良くなっていくと思います」と明るい表情を浮かべた。

 強敵を相手に臆することなく、試合開始直後から圧倒した。前線から厳しくプレッシャーをかけ続けてパスミスを誘い、球際でも互角以上の強さを発揮した。どちらが上位チームか分からないほどで、シュート数も15対6と上回った。シュートミスも多かったが集中力も気迫も維持し、後半7分から出場したFW吉平が、相手DFを振り切って2試合連続のゴールで勝利を呼び込んだ。安達亮監督は「ボールを動かせる時間が長かったが、必ず背後を狙うように指示していた。スルーパスやコンビを狙うとか、ドリブルで仕掛けるなど、その通りにやってくれました」と評価した。

 5月末に安達監督が就任し、新体制となって5試合目で初勝利。「簡単な決定機に仕留められなかったのは大きな課題だが、主導権を握りながらシュートまで持ち込める場面が増えた。

今日のパフォーマンスを見れば、この順位にいるチームではない。後半は必ず巻き返していく」。新たに取り入れた攻撃的スタイルで、再スタートを切る。(中田 康博)

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