◆明治安田 J1リーグ▽第22節 京都3―1G大阪(28日・サンガスタジアムby KYOCERA)

 前節終了時点で6位だった京都は、G大阪から3得点で快勝した。4月29日の第1戦では1―2で敗れた相手に、2万174人が詰めかけた本拠で、リベンジを果たした。

 FWマルコトゥーリオが大暴れした。前半17分、同25分に2点を挙げると、後半にもDF福田心之助の得点をおしゃれなヒールパスでアシスト。2試合連続のスタメン出場で結果を残した助っ人は「チームに貢献できるゴールになったことが一番うれしい」と会心の笑み。曹貴裁監督も「チケットも完売で、関西ダービーをこういう形で迎えられた。試合前からサンガサポーターの声援が選手にも我々にも届いていましたし、『今日は勝ち点3しかダメだな』というところで勝ち点3を取れた」と、うなずいた。

 続けて指揮官から出たのは「個×個」という話。G大阪の選手たちの個の力をたたえた上で、京都は「9人頑張っていても、10人目がやらなかったらゼロになってしまう。足していけないチームであるからこそ、全員が攻守で顔を出していって人数をかけて守る、攻めるという意識は我々はずっと意識していること」と力強い。

 この試合でもまさに、というシーンが連発した。次から次へと選手たちが高い強度でプレスをかけ、攻撃では人数をかけて一気に攻め込む。逆にカウンターをくらう状況でも、気づけば自陣ゴール前にいる人数は京都の方が多数。G大阪の選手が味方を待つ間に、ボールを奪うなどピンチの芽を摘んでしまうシーンも少なくなかった。

主将のMF川崎颯太は「ただただ1対1で守備をするだけじゃなく、宇佐美選手やヒュメット選手が運んできた時に数人で囲むとか、1つはがされても全員で戻ってカバーし合うのが自分たちのサッカー。他人任せになってしまっている時は、悪い時なので。全員でつながっているようにというのはすごい意識した試合だった」と勝ち点3を裏付けるチームで統一された意識を説明した。「個だったら素晴らしい選手が何人もいるガンバでしたし、個で負けないことはそうですけど1人が負けてしまった時に二の矢、三の矢ってできるかどうか。それが今日はできたからこそ、厚みのある攻守ができた。これを90分間暑くても続けられるように」。チームに根付く「かけ算」で、無限大の答えを生み出し続ける。

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