◆明治安田J1リーグ ▽第22節 清水0―2柏(28日・IAIスタジアム日本平)

 7試合が行われ、柏が敵地で清水に2―0で勝利し、岡山に1―2で逆転負けした首位の鹿島と勝ち点41で並んだ。得失点差で2位。

国内組で臨む東アジアE―1選手権(7月7~16日・韓国)の日本代表メンバー発表が7月3日に控える中、森保一監督(56)が柏戦を今季6度目の視察。柏DF古賀太陽(26)らの代表候補が勝利に貢献した。

 ついに鹿島を捉えた。前半8分、細かなパスの連係からMF久保が先制点を奪うと、同23分にはMF戸嶋が突き放した。負傷のMF熊坂、原川、累積警告で山田と主力3人が欠場した中、敵地でつかみとった勝利にロドリゲス監督(51)は「とても価値のある勝ち点3だった」と胸を張った。

 昨季まで2年連続で残留争いをした面影は全くない。引いて守る形からJ1最高のボール保持率を誇る攻撃的スタイルに変貌(へんぼう)し、昨季17位から優勝を争うチームになった。日本代表の森保監督からも熱視線が送られ、代表がW杯出場を決めた3月下旬以降、この日が6回目の視察になった。同期間の視察回数では柏の試合が最多だ。

 来月3日には、E―1選手権の日本代表メンバー発表が控える。代表候補に挙がるDF古賀は最終ラインを統率し、無失点で勝利に貢献。同じく、後半25分から途中出場したFW細谷もストライカーらしく清水ゴールに迫った。

PKを止めたGK小島も最後のアピール。MF熊坂、細谷がそれぞれ6月のW杯最終予選に招集されたように、柏からE―1選手権に招集される可能性は十分だ。

 今季パス総数リーグ1位を記録し、躍進を支える古賀は「パーフェクトではなかったが、自分の良さは表現できた」と振り返り、吉報を待つ。首位の鹿島に勝ち点41で並び、得失点差で2位。「チームの成長を目指していくことが重要」とロドリゲス監督。14年ぶりの優勝へ、突き進む。(浅岡 諒祐)

◆森保監督の柏戦視察

 ▽4月6日・G大阪戦  「(熊坂は)幅広く攻撃に関わることができる。(ボールを)刈り取っていた。サイズもある」

 ▽4月11日・FC東京戦 言及なし

 ▽4月26日・新潟戦 「(失点につながるミスの熊坂について)失点に絡んだ選手が挽回しようと、また得点に絡む。その後が大切。そういうところも見られたのはよかった」

 ▽4月29日・名古屋戦  「(決勝点の細谷に)スピードを持って局面を剥がしていくところ、決定力、局面の違いを見せてくれた。相手の脅威に、レイソルにとっては頼りになるプレー」

 ▽5月14日・横浜M戦 「(11戦負けなしの柏に)やるべきことがはっきりしている。

ロドリゲス監督が、コンセプトを伝える能力が高い」

森保監督熱視線E―1代表「上位から選ぶ」

 森保監督が清水―柏戦視察後に取材に応じ、E―1選手権の選考の方針を示した。「Jリーグのベストチームを選出、と考えている」とした上で、まずはJ1の20チームから評価順に選出する考え。そしてポジションの重複時は「上位チーム(の選手)を選ぼうかなと考えている」と明言した。また、「3(バック)も4(バック)もやれる選手で招集したい」としながら、チームとしては「基本は3バック」。すでに選択肢から消えたが、選考の過程で「(J1各チームから1人ずつ選ぶ)オールスター(方式)も考えていた」と明かした。

 ◆東アジアE―1選手権 東アジア連盟がダイナスティ杯(90~98年)の後身として、2003年に東アジア選手権を創設。第1回は日本で行われ、2年ごとに日本、韓国、中国の持ち回りで開催。05年大会からは女子の試合も実施。13年大会から東アジア杯、17年大会から東アジアE―1選手権に名称が変更。日中韓に予選を勝ち抜いた1チームを加えた計4チームが総当たり戦で優勝を争う。

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