◇明治安田J1リーグ 第22節 柏2-0清水(28日・IAIスタジアム日本平)

 清水エスパルスはホームで柏に0―2で完敗した。前半8分、元藤枝MYFCのMF久保藤次郎(26)に先制点を献上。

同23分にもクロスから2点目を喫した。アイスタでの黒星は3月16日の京都戦以来で今季2敗目。前節にはDF高橋祐治(32)が左膝を負傷し、今季絶望となった直後の試合で意地を見せられず4戦勝ちなし(2分け2敗)。次節は7月5日、敵地で町田と対戦する。

  無念の思いで戦列を離れた仲間に白星は届けられなかった。清水は松葉づえ姿の高橋がベンチから数メートル離れた場所に座って見守る中、反撃できないまま90分間を終えた。今季アイスタ最多の1万8159人が駆けつけた本拠が重苦しい空気に包まれる。秋葉忠宏監督(49)は「苦しい時にどう難局を乗り越えるか。クラブ力が問われている」と語気を強めた。

 気持ちは、誰もが高ぶっていた。試合前には全選手が高橋の背番号「3」のユニホームでアップ。手負いのベテランはピッチ脇で涙しながら見守った。

DF蓮川壮大は試合前の撮影時に高橋のユニホームを掲げるなど、誰もが“祐治のため”と心に刻んでいた。

 だが、狙い通りに試合は進まない。前半8分、自陣右サイドの浅い位置でボールロストし、最後は元藤枝の久保に被弾。同23分にも右クロスから2点目を許した。「ハーフタイムを待たずに修正できるよう、もっと早く手を打てれば」と指揮官。後半は押し込むシーンが増え28分にPKを獲得したが、FW北川航也のキックはGKにはじかれた。

 この日は高橋に加えDF山原怜音も欠場。チームの3分の1となる約10人が故障中の“野戦病院”状態で、今週は法大から来季入団内定の2人を緊急招集していた。DF日高華杜は初出場、初先発。MF大畑凜生(21)も途中から起用された。ベンチに経験の浅い若手を並べざるを得ず、打てる手には限界があった。

 無得点は今季7度目で、アイスタでの黒星は同2度目。

順位は14位まで後退した。前期に勝てなかった相手との“リベンジシリーズ”は2分け1敗で、次節の町田戦はチームの“心臓”と言えるMFマテウスブエノが警告累積で出場停止となる。「けが人が戻るまで持ちこたえるか。歯を食いしばってファイティングポーズを取る」と秋葉監督。オレンジ軍団が正念場を迎えている。

(武藤 瑞基)

 清水DF日高華杜(来季入団内定の法大4年生はほろ苦いデビュー戦に)「何が足りなかったのか考えて取り組んでいくしかない」

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