サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」は29日、海外遠征を終えて、羽田空港に帰国した。27日(日本時間28日)に開催されたスペイン女子代表との国際親善試合は1―3で敗北。
スペイン・マドリードの地で23年女子W杯女王に力負けした。インサイドハーフで先発したMF宮沢ひなた(25)=マンチェスターU=は「自分たちが押し込む時間帯は相手に比べて少なかったと感じる。つなぐ中でもゴールに向かうところは、もっと積み上げていかなきゃいけない」と振り返った。GK山下杏也加(29)=マンチェスターC=も「ポゼッションの質が全然違いますし、後ろから見ていてもつかみづらい場所に居続けていた。少しの時間とスペースを与えてしまえば、やられてしまうイメージがあった」と話した。
5月30日(日本時間31日)と今月2日(日本時間3日)のブラジル戦でも敵地で連敗。再び世界一までの距離の厳しさを痛感させられた。佐々木則夫女子委員長からは今回の活動の終了時に、世界一へ向けてデュエル(対人)とボール保持率を上げる必要があるとの指摘も受けたという。宮沢は「結果が全ての世界なので、結果を出さない限りその先にもつながらないと思いますし、今後の女子サッカーのためにもならないのは選手は分かっていると思う。どれだけ必死に戦っても結果がついてこなかったらそれまでのこと。言われた通りだと思います」と受け止めた。
一方で、世界の強豪とアウェーで戦う経験を得られたことは収穫だ。
ニルス・ニールセン監督の就任以降取り組んできたパスサッカーも、スペインという伝統的にボールを保持するスタイルを志向する“手本”を体感したことも大きい。山下は「プレッシャーのかけ方のルールという、アイディアをこうして行こう、という1つルールができたのは良かった」と今後を見据えた。