SUPER EIGHTの安田章大が12日、都内で視覚に制限がある人向けのアニメ映画「火垂るの墓」音声ガイド付き上映会に登壇した。
野坂昭如さんの小説が原作で、スタジオジブリのアニメーション映画監督・高畑勲氏の脚本、監督で1988年に映画化。
安田は、15日にNetflixで国内初配信される本作の日本語音声ガイドを担当。自身は、2017年に脳腫瘍のひとつである「髄膜腫」を患った後遺症で、光過敏を抱えている。その経験から本作では、登場人物の動きや表情、衣装、場面の変化についてナレーションで補足説明を行い、視覚的な情報を提供する音声ガイドを担当している。
安田はこの日、視覚に制限がある人たちが集った会場に向けて「僕にとっては耳から得ることが大事な情報源。やっぱり生活スタイルがすごく変わりましたね」と告白。ナレーションを務めるに当たり「言葉が持つ温度や湿度やにおい、発した言葉の裏にどんな思いがあるのかに着目しました。ストーリーと一緒に僕の心の揺れも感じてもらえたら」。優しく押しつけのない声色と繊細な表現で、“音による視聴体験”を実現した。
作品上映後は、涙する観客や本作に込められたメッセージをかみしめるように沈黙する観客の姿も。安田も慎重に言葉を選びながら「曲げられない事実が描かれている。このタイミングできちんと日本国内、そして世界にお届けできれば」とうなずいた。