中村歌昇(36)が東京・新橋演舞場の歌舞伎「刀剣乱舞 東鑑雪魔縁(あずまかがみゆきのみだれ)」(27日千秋楽)で陸奥守吉行と源実朝の2役を演じている。

 尾上松也(40)が主演と演出を手掛ける刀剣乱舞歌舞伎(とうかぶ)の第2弾で、鎌倉時代が舞台。

2023年の前作を見て「登場人物がキラキラと輝いている」と感銘を受け、「次があれば、ぜひ出たいです」と松也に直談判して出演が決まった。新春浅草歌舞伎でしのぎを削った兄貴分との再タッグに「5日に初日の幕が開いて、感極まりました。松也のお兄さんに『こいつ、すげーな』と思わせるくらい頑張りたい」と意欲を燃やしている。

 刀剣男士の陸奥守吉行は、坂本龍馬にゆかりのあるキャラクターで土佐弁と明るい性格が持ち味。「英会話の勉強のように土佐弁を何度も聞いています。明るく前向きな男なので、太陽のように周りを照らす存在になれたら」。22年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」でもおなじみの3代将軍・源実朝は「物語の軸になる役なので、すごく責任を感じています。鶴岡八幡宮の場面に注目してください」と呼びかけた。

 「歌舞伎では『あの役のイメージでやってみよう』と型にはめて考えることが多いですが、今回は新しいことに挑戦しています。全部リセットして、どんなキャラクターで、どんな心情なのか、ゼロから考えています」。表情には充実感が漂っている。(有野 博幸)

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